2014年5月 Wien

5月28日《パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団》
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今ツアー最後の演奏会。Paavo Järvi指揮パリ管。ムソルグスキー:禿げ山の一夜(リムスキー=コルサコフ編)、ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(Vc. Tatjana Vassilieva)、ラヴェル:高貴で感傷的なワルツ、ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」。
Barconからステージ袖で待機するパリ管のconcertmaster、千々岩さんを発見。高校の一つ上の先輩なのでご挨拶に行ってきました。「何でここにいるの?」という、至極真当な質問からしばし談笑。そうこうしているうちに開演時間。
演奏はというと、フランスのオケというよりinternationalな素晴らしいオケでした。ムソルグスキーは、一曲目から全開フルパワー。ラヴェルではフランスのオケらしく柔らかい響きに、というより自分たちの音楽として自信を持ってパフォーマンスしているのがシッカリと伝わってきました。「火の鳥」はオケのテクニックに圧倒されっぱなし。素晴らしかったです。
カスチェイの踊りの終わりからは普通、ausgangを通って上手く子守歌へ繋がるように演奏しますが、この日は一度終わって、子守歌の頭から改めて演奏してました。曲が始まってから納得、鍵盤奏者がピアノの場所からいったん扉を出てチェレスタに移動するのに時間が必要だったのですね。
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この日はテレビ収録があり、マイクをつるすワイヤーや照明機材をぶら下げる鉄パイプなどごちゃごちゃしたステージ上。
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そのうち、EuroartsとかでDVDが発売されるかも知れません。

◆5月27日《ウィーン弦楽四重奏団》
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Werner Hink率いるWiener Streichquartettの演奏会。曲目はシューベルト: 弦楽四重奏曲「死と乙女」と、ブラームス: ピアノ五重奏曲(Pf. Jasminka Stancul)の2曲。長年築き上げてきた友情、関係が、このような音楽になるのだと実感。若いカルテットにはない味わい、慈しみすら感じました。特にシューベルトが絶品。ヒンクも素晴らしかったけど、チェロに凄みがありました。一音一音に強烈なメッセージを感じました。シューベルトに比べると、ブラームスはカルテットとピアニストとのテンポ感の違いが気になりました。じっくりやりたいカルテットに対して、どちらかというと先に行きたいピアニスト。ギリギリのところで両者歩み寄っていたのでそれが狙いだったのかも知れませんが、僕としてはもう少しじっくりブラームスを味わいたかった。アンコールはショスタコーヴィチの五重奏曲からスケルツォ。会場からもヤンヤの拍手。大人な楽しみ方。
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◆5月25日《ヤング指揮ウィーン交響楽団》
この日は夜、コンツェルトハウスでウィーン響の演奏会。先ほど聴いたムジークフェラインから歩いて5分ほど、移動にはたいしてかかりません。シモーネ・ヤング指揮でベートーヴェンの交響曲第7番とブラームスの交響曲第2番という、名曲プログラム。ウィーン交響楽団はこの後、台湾、中国ツアーがあるそうで、そのプログラムをいくつか事前に本拠地で演奏していくことらしい。
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ポスターを見たときには気付かなかったが、前日の24日は前プロが同じベートーヴェンでも交響曲第3番「英雄」となっている。てっきり同じプログラムだと思って24日はパスしたのだが、「英雄」は聴きたかったな。
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休憩中のコンツェルトハウス内。演奏は、どの曲もいまいちピンとこない感じ。どこかピントがブレてる感じ。オケの鳴りは良かったと思うけど、妙なところに変な間ができたりと、音楽と指揮が噛みあってなかったような気がします。
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終演後はコンツェルトハウス近くのビアホールで、ウィーン響の友人とビールで打ち上げ。ハンバーガー、美味しかったです。


◆5月25日《メルクル指揮トンキュンストラー管弦楽団》
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もう一つの聖地、ムジークフェラインで16時からメルクル指揮トンキュンストラー管弦楽団の演奏会。
曲はドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」抜粋(メルクル編)とシェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」。
ハイリゲンシュタットからいったんホテルに戻って着替えて…と、ホテルに向かってたら、前方からメルクル氏が歩いてくるではないか!話しかけたらすぐ気づいてくれて、前回のN響客演の時の話や今日の演奏会を楽しみにしていることを伝えたら、「終演後も会いましょう」と言ってくださった。
演奏会は…
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トンキュンストラー管、上手かった!素晴らしかった!おそらく初めて弾く人が多かったのではないかと思うけど、ドビュッシーの柔らかな色合いを充分に堪能させてくれた。そして後半のシェーンベルクは、このホールで聴くのが最高ではないかと思うくらい、ベスト・マッチ。メルクルとトンキュンストラー管の相性はよいと思う。そして去年聴いたトンキュンストラー管の「ウィンザー」でも思ったが、彼らの演奏からこれがウィーンのサウンドなんだと実感した。
終演後、出待ちをして改めてメルクル氏と会う。本当は食事でも行きたかったのだが、この日は夜コンツェルトハウスでウィーン響の演奏会のはしごなので、30分ほど近くの公園で世間話。今回のプログラムのコンセプトについてや、今後の来日公演について、他にもいろいろと興味深い話ができた。また日本で是非会いましょうと言って、メルクル氏はコンツェルトハウスの前まで送ってくれた。



◆5月25日《ハイリゲンシュタット》
ベートーヴェンが歩いたであろう、ベートーヴェンの小道を鳥のさえずりを聞きながら歩く。僕にとっても聖地です。
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小鳥のさえずり。

この日はとても天気の良い朝だったのですが、昨日の雨で局地的にとんでもないことになってました。
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近くの住民の方々が総出で泥かきされてました。小さな川なので、あっという間に溢れてしまったのでしょう。



◆5月24日《ベートーヴェン詣で》
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時差ボケで早起きなので、午前中にベートーヴェンのお墓参り。素晴らしい天気で心も晴れやか。気温は28℃、夏です。

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友人とランチを共にし、午後はハイリゲンシュタットへ行こうかと思っていたら、雲行きが怪しいので、予定を変更してステファンス近辺を歩く。
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曇ってきた。
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Billa Corsoの近くにサリエリが住んでいた、そして亡くなった場所があります。
そしてあっという間に土砂降りに。ハイリゲンシュタットに行かなくて良かった。


◆5月23日《ジョナサン・ノット指揮バンベルク響》
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1年ぶりのウィーンへ、演奏会を聴きに行ってきました。
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着いたその日、時差ボケ覚悟でバンベルク響のブルックナー7番。前半はモーツァルト:クラリネット協奏曲。会場はコンツェルトハウス。
クラリネットの独奏、マルティン・フロストはいとも軽々とモーツァルトを演奏し、さらにアンコールでオケの伴奏を従えてジャジーな乗りの良い小品を演奏、やんやの喝采を浴びていました。
メインのブルックナー、オケは頑張ってたと思いますが…指揮のノットの解釈なのか、サラサラと水のように流れていく、そんなブルックナーでした。個人的には濃厚なブルックナーを期待していただけに、ちょっと肩透かしを食らった感じ。こちらもアンコール的に(というかプログラムに予め用意されていた)Mauricio Soteloの "Bruckner Nachklang" (2014)が演奏されました。こちらは先ほど演奏された7番の断片が出てきたりと、たしかに"Bruckner Nachklang"には丁度いいかも。ただ、この作品を演奏したくて、その前に7番を持ってきた感、が無きにしもあらず。前半のモーツァルト共、どちらもアンコールに強烈な印象が残りました。