過去のBlog 2009年12月

◆12月31日《年越しベートーヴェン》
今年もベートーヴェン交響曲全曲演奏会で年越しでした。
コバケン指揮です。
2時に帰宅。
もうヘロヘロです。
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この企画に参加できて5回目でしょうか、岩城さんで2回、9人の指揮者で1回、前回と今回はコバケン。毎回ベートーヴェンの凄さを実感してきましたが、今回はいつも以上にグッと来るものがありました。
午後2時開演、1番から順番にそれぞれ休憩を挟みつつ演奏をしてゆき、4番まで終えたところで大休憩(90分)。午後7時に5番から再開し、午後11時半過ぎに9番が始まりました。そして2楽章途中でおそらく年越し。終演は1時近くでした。
客席も我々演奏者も一緒にベートーヴェンの足跡を辿り、それとともにボルテージも徐々に上がっていきます。これが身体は疲れていても何処からともなく湧いて出るエネルギーとなって、最後の最後まで弾き通す原動力になります。
特に奇数番号、3,5,7番はコバケン節全開で会場も大盛り上がり、9番に至っては完全に宇宙が見えました、はい。

そして終わった時の噴きあがるような拍手は、演奏して良かったなぁと思うと同時に、音楽の素晴らしさに心から感謝しました。あの日会場をあとにする方々はおそらく皆幸せだったと思う。演奏云々ではなく、音楽の持つパワーに圧倒され感謝し、悪いことはせず正直に生きようと、少なくとも僕は思いました。

何が正しくて、何が良くて、正確なのかなんてどうでも良いことで、
思いがどれだけ込められているかどうか、ですよねぇ。



◆12月20日《釜玉うどん》
今日は本当に眠い。第9の練習(クルト・マズア指揮)が予想以上に早く終わり、家に帰った途端撃沈。昼寝をたんまりした。

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夜、生徒さんのレッスンをしてから1人で夕食。ここのところ飲みすぎなので、軽めに湯豆腐にした。
我が家の湯豆腐は、昆布を敷いた鍋の真ん中に蕎麦猪口を沈め、醤油と味醂を1対1で合わせて刻みネギ、かつお節を入れたタレに豆腐をくぐらせて食べるスタイル。何風かわかりませんが、タレも温かいので最後まで熱々を頂けます。今日は余っていた鱈の切り身や水菜、竹輪なんかも入れたので湯豆腐+α鍋です。鱈の切り身はちゃんと塩を振って10分ほど置きます。これだけで鱈はプリプリ。NHKの「ためしてガッテン」でやってたので間違いないです。

湯豆腐と日本酒をチビチビやりながら、N響アワーの裏番組「行列のできる法律」を見ていたら、何やら美味そうなうどんの紹介をしていたので、仕上げはうどんに決定。といっても淡泊な出汁ではどうしようもないので、讃岐の乾麺を茹で、湯豆腐で使った醤油だれと生卵で釜玉うどんにしました。写真じゃ解りづらいですが、醤油だれにはすでに鰹節とネギの香りがついていて、生醤油そのままよりだいぶまろやかな味わい。いやぁ〜、これは意外にヒットでした。

油も一切使わずヘルシーな晩ご飯。

ただ、日本酒が一本空いてしまったのが誤算。


◆12月18日《ゲヴァントハウスQ公開講座》
休みの今日、東京藝術大学でゲヴァントハウス弦楽四重奏団の公開講座が行われるというので行ってきました。

2つの学生のカルテットが、それぞれメンデルスゾーンとハイドンを演奏しました。(そのうちの一つには僕の弟子が弾いていました。)

いやぁ〜、最近の学生さんは上手です。自分が大学2年生の時、あんなにはとてもじゃないけど弾けなかったなぁ。どちらも完成度高かったです。
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メンデルスゾーンはゲヴァントハウスにゆかりある作曲家だし、その地の世界的カルテットから直接レッスンを受けられるのはすごくいい経験になりますね。ハイドンも弦楽四重奏団にとってはお手本のような曲ばかり。譜面はシンプルだけに、そこからどのようにして音楽を読み取っていくか。ゲヴァントハウスQのメンバーのアドヴァイスで、演奏がみるみる立体的に変わっていきました。いい勉強になりました。



今日はほんとに寒い。家に帰って、戴いた豆乳鍋を作りました。
食べ終わってから、ウィーン交響楽団のワインと共にメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」を聴きながら真冬の夜を楽しんでいます。
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◆12月16日《ショスタコの11番》
今日はサントリーホールでショスタコーヴィチの交響曲第
11番をデュトワの指揮でやりました。


ショスタコーヴィチ、あまり好きではありません。


でも、今回初めてやるにあたって好きでないなりに自分なりのイメージを持ちつつ弾いてみました。


なんなんでしょう、
夢中になる寂しさ、なのでしょうか。
一瞬、我を忘れていました。

雑音まき散らしてしまいましたが、

もうどうにでもなれ!

と思ってしまう瞬間が、何度か。



◆12月15日《あと半年》
今年の12月はさほど忙しくはないのですが、なんやかんやバタバタとしているうちに、今年も残すところ半月となりました。

今月の定期は名誉音楽監督デュトワで3つのプログラム、そのうち1つ目のストラヴィンスキー「アゴン」、R.シュトラウス「ドン・キホーテ」のプロと、3つ目のショスタコーヴィチの交響曲第11番他の2つが出番。

いや〜、大変な曲ばかりです、はっきりいって。
ストラヴィンスキーの「アゴン」はいくら練習しても頭に入らない音形&リズムの連続、それでいて作りはシンプルなので、練習中はいつボロを出すか冷や冷やもんでした。それでも真面目に復習って、デュトワにもみっちりやられて、最後には覚えちゃいましたが、本番終わったらすっかり忘れてしまいました。

今週の定期も大変、ショスタコーヴィチの11番。全部で1時間は超える大作を全楽章休みなしで続けます。速いところは徹底的に速い。遅いところは遅いで、音域も高くこれまたなかなか頭に入らない音形。
第1ヴァイオリンはいつも音が高いので、僕の場合は架線をまず読むところから入り、 移弦すべきかシフティングで乗り切るか効率のいい指使いを考え、それからやっと身体に馴染ませていきます。パッと見てすぐ弾ければいいんだけどねぇ。架線が5本、6本になるともうお手上げ。基礎ができてないので、かなりめちゃくちゃな指使いになります。
参考にしないで下さい(誰もしないか)。

それと第2楽章の終わりに出てくるtrillの連続、これがまた曲者で。
第1楽章の冒頭に出てくる宮殿前広場のテーマが、弦楽器のtrillによって亡霊のように聞こえてくる効果は絶大なんですが、 合計4分近くやっているtrill、指攣ります。
攣りそうな時は予めいろんな指に置き換えて続けますが、
ここでクイズです。
僕にとって、疲れた時に一番楽なのは次のうちどれでしょう。
◎1(人さし指)と2(中指)のtrill
2と3(薬指)の指のtrill
3と4(小指)のtrill


皆さんも試してみて下さい。

答えはいつかそのうち。



◆12月2日《いい天気でした》
気持ちのいい青空の中、練習でした。1年ぶりのデュトワです。
やっぱりデュトワは良いです。明るい、元気、ハッキリしてる。今週の定期は楽しみです。ストラヴィンスキーの「アゴン」は難しいけど。

みっちり練習した後、今日は何もなかったので散髪に行きました。
散髪は嫌いでないけど、散髪屋が嫌いです。
昔も書いた気がしますが、イスに座ったとたん必ずといって聞かれる

「今日はお仕事は休みですか? or お仕事は終わりですか?」

今日も聞かれました。

いや、そのつもりで行ったわけだから、ちゃんと相手して盛り上げることも出来たかも知れないけど……、できませんでした。

楽しんで髪切ってもらった方がお互いいいはずなのに。

そのあと、ビールを買いに個人商店に入りました。いつもは大型スーパーなどの安売りコーナーを利用しますが、たまたま歩いていたら道すがらあったので、キリンの一番搾りの6缶セットを買いました。
精算の際、おつまみ用の小さな「あられ」を付けてくれて、何度も
「どうもありがとうね、どうもありがとう。」
と、こっちがお釣りを財布にしまうまで言ってくれました。

値段を下げて、その分サービスも必要最低限のところより、定価でも心温まる商店のほうがいいなぁ。今の時代に逆行しているかも知れませんが、省けばいいってもんではないでしょう。


◆12月1日《今日から機内持ち込み制限が始まった

今日、国内の航空会社が機内の手荷物の持ち込み制限を強化した。キャビン・サイズと言われるキャリーバッグ等のサイズが徐々に大型化し、荷物の収納に手間取る結果、定時運航に支障が出るのを防ぐためと言われているが、音楽家に対するいじめだ。ヴァイオリンやヴィオラなど今まで機内に持ち込めた楽器類は、これから手荷物として認めないらしい。今日のニュースでも取り上げられたように(また、昨日の朝日新聞にも出ていたが)、オーケストラが国内ツアーで飛行機を使う場合、1公演地で100万円以上の負担増になる。いや、主催者がその費用を負担してくれるところはまだ良い。学生さんや個人の移動になると、往復2万円、大打撃だ。 もう飛行機は使えない。
本音は「楽器類は金を払って乗れ」ということだろう。 飛行機業界も業績悪化で苦しいのはわかるけど、果たして良い結果になるのかな。音楽家みんなが飛行機乗らなくなったらどうするかな。

少なくとも僕は、今まで大阪に行くにも飛行機を使っていたけど、もう新幹線にしよ。広島も福岡も新幹線。東北はもちろん。札幌は難しいけど、トータルで鉄道が安くなれば陸路かな。

楽器分のマイレージ加算してくれるなら考えるかな。