過去のBlog 2011年3月

◆3月24日 《地震》
地震の一報を知った時、僕はローマにいました。N響のアメリカツアーが降り番になったので、7日からヨーロッパに出かけていたのです。

その日(11日)はローマからウィーンに向かう予定でしたが、予定を変更して日本へ帰ろうかとも話していました。しかし、ローマの空港で
「成田は今クローズされている」と聞き、予定通りウィーンへ行きました。
電話で自宅や家族は無事だと聞き、一安心。ちょうどその間に避妊手術を受けていたウララちゃんも、病院で無事。ゴマちゃんは緊急地震速報の音が流れると飛んでくるようになったそうです。
ウィーンではとても観光気分になれず、現地の友人と会っても地震の話と、原発の事故の話ばかりでした。ホテルでインターネットを申し込んだら、我々が日本人と知って無料にしてくれ、真夜中にネットをしにロビーに降りていっても静かに見守ってくれました。
刻一刻と変化する事態を見ながら、 ヨーロッパの友人は「今は帰らない方がいい」、「しばらくこっちで過ごせ」とも言ってくれましたが、このままではいつ帰れるか判らないし、いずれは帰らなければいけない。
予定では16日に帰国のところ、14日オーストリア航空が変更を無料で受け付けるとの情報を得て、慌ててホテルの荷物をまとめ、空港へ向かうことにしました。
出発時ホテルのフロントで、
「もし乗れなかったら戻ってくるのでホテルの部屋をキープしておいて欲しい」と頼んだところ、
「もちろん、乗れなかったらしばらく居ても良いんだよ」
とまで言ってくれ、ありがたかったです。
空港でもboarding timeが迫っている中、変更の手続きをしてもらい、
waiting listに乗せたから大丈夫、手続きを済ませてゲートに行きなさい」
何から何まで温かい人々にお世話になり、無事帰国しました。

帰国してからは、日本の惨状にただただ呆然としてましたが、最近やっと落ち着いてきました。津波で被害に遭われたたくさんの方々の中には、お世話になった浪江幼稚園、去年NHKこども音楽くらぶで訪問したいわき市立錦小学校、山田町の大沢小学校の生徒達大丈夫でしょうか?なんて軽々しく聞けない。それでも今朝のNHKニュースで、大沢小学校の卒業式の様子が映されていて少しホッとしました。
こんな時、音楽家は何も提供できないのが歯痒いですが、今後我々に何ができるか、一生懸命考えて必ずお手伝いします、待っていて下さい。


◆3月5日 《オーチャード定期》
本日はオーチャード定期。

ベートーヴェン:エグモント序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第4番
の3曲。
シベリウス独奏を務めたのはノルウェー出身の若手女流ヴァイオリニスト、ヴィルデ・フラングさん。


いや〜、ブッたまげた。
良いんじゃないでしょうか。
僕は好きです。
かなり自由に弾いてますが、オケとズレようが細かい事は気にしない、でも収まるところは収まってる。
他の曲をどのように弾くか、聴いて見たい。
明日の結城公演も楽しみです。