2004年9月〜12月の旧酔っ払いの戯言









12.30 あっという間に晦日だ。今年は大晦日にベートーヴェン交響曲全曲演奏会に参加しているので昨日からそのリハが始まり、全くといっていいほど年越しの気持ち が沸いてこない。それよりも明日無事に全曲弾き通せるのだろうか・・・。マラソンと一緒で最初から飛ばすと後で持たないし、かといって未知の世界。しかも ほっておいても、どの曲も自然と体が盛り上がってしまう。なるようにしかならない。目標は最後まで楽しく演奏すること。さてどんな演奏会になるか、楽しみ 半分怖さ半分だ。

12.23 尾ぐされ病だったメダカは、昨夜遅くついに体半分が切れてしまう事態に。水底にはカビにまみれたしっぽ部分が沈み、胸ビレのみではもう泳ぐことも体勢を建 て直すこともできない。それなのにまだ生きている様は恐ろしい。胴体が半分になってから約1日生き続けたが、夜にとうとう息絶えた。魚は痛点が無いと聞く けど、本当かなあ。きっと辛かったと思う。明日は休みなので、メダカの水槽を掃除したり日光浴させたりするつもりだ。 夜はウィーンから友人が日本に来ているので、東大のそばの寿司屋で宴会。写真も撮ったのでそのうちアップします。

12.22 家で飼っているメダカが相次いで病気になっている。先週約1週間家を空けて帰ってみたら、頭しか残っていないのが一匹(これはきっと金魚に食われたんだろ う)、そして体半分にカビが生えてしまったメダカ、これはインターネットで調べたら尾ぐされ病という細菌性の病気に冒されて治療が難しいとのこと。今日は それとは別に明らかに動きがおかしいのが一匹いた。それぞれ別の容器に移して薄い塩水で様子を見ているが、尾ぐされ病のメダカは尻びれは無くなり、白いカ ビに覆われたおなか辺りから後ろは辛うじて骨でつながっている状態で見るのも辛い。それでも一生懸命生きているのを見ると安楽死させることができない。夏 場は活発に卵を産んでいたけど、秋になってからは寒いためなのか卵も産まない。体力が落ちてきているのかもしれない。しかし、そのかわりその卵から孵った 小メダカ達は着々と大きくなってきている。現在11匹の子メダカが別の水槽で無事育っている。これも世代交代の1つかと、果無い現実を見ている。

12.11 サントリーホールでの2回の定期演奏会を終え、デュトワとの『ペトルーシュカ』プロは今 日、足利で演奏会を行った。サントリーでもそうだが、今日も『これぞデュトワ!』と言える素晴らしいストラヴィンスキーを振っていた。なんであんなに全て がシックリピッタリとはまるのか不思議なくらい、弾いてて気持ちいい。今日の足利でのリハーサルでもデュトワが、「サントリーでの演奏はとても良かった。 僕はあの演奏が好きだ」と言ってくれた。足利市民会館はかなりデッドなacousticだけど、それでも十分デュトワ・サウンドは届いていたのではない かと思う。
今朝夜明け前(といっても6時過ぎだが)に起きたらちょうど東の空がうっすらと明るくなりかけたころ、明けの明星がとてもきれいに見えたので、デジカメで撮ってみた。
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早起きしたついでというわけではないが、車で足利に移動する途中、佐野にあるプレミアム・アウトレットに立ち寄った。お目当ては数カ月前から気になってい BOSEのスピーカーを見るため。今家で使っているスピーカがあまり好きでないので、別の小型スピーカを探しているのだ。いくつもあるブランド店には目 もくれず、まっすぐBOSEのブースへ直行。狙っていたスピーカが予想以上に安かったので、思い切って購入した。マンション暮らしだとあまり大きい音で鳴 らすことができないので、そこそこの音量でバランスよく鳴ってくれるのが理想だが、これはその希望をかなえてくれそうだ。

12.7 佐賀から帰ってきた翌日、デュトワの練習。今回は『マ・メール・ロア』組曲と『ペトルーシュカ』というデュトワならではのプログラム。先週から具合が悪い そうでかなり辛そうにしているのに、練習が始まると途端にパワフルに変身。それにしても、その練習の鮮やかなこと。あの複雑な『ペトルーシュカ』が完璧に 頭に入っているのだ。彼の頭の中で鳴っているイメージ通りに行かないとビシビシ注文が飛んでくる。無駄な時間は全く無い。凄い。そうそう、今回ペトルー シュカでは横山幸雄がエキストラで参加している。

12.5 師走。4日のN響定期公演を終えた足で羽田空港から福岡に飛び、さらにバスで佐賀に入った。翌日の5日は佐賀大学管弦楽団の定 期演奏会で、Quintetto Alberiのメンバーでもある国府華子ちゃんがソリストを務めてシューマンのピアノ協奏曲を、メインのシベリウスの2番を華ちゃんのお父さんの国府慶作 氏が指揮をした。慶作さんは今年度をもって同大学を退官されるそうで、これが佐大オケ最後の演奏会になるということなので、僕としても是非とも演奏したく 志願で参加させてもらった。(本来ならLibera! Chamber Music Series東大宮の演奏会を企画していたのだが、このような理由により変更しました。)佐大オケには高校3年生の時に初めて参加して以来、大学生の時は 毎年のようにエキストラとして出演し、今から10年程前の第35回定期演奏会にはソリストとしてもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を共演させても らった、僕にとって無くてはならないオケでもある。今回ホント久しぶりに参加し、懐かしい思いがいっぱい。昔もそうだったけど、今も弦楽器はメンバー不足 をエキストラでまかなっている状態。しかし、かつてのOB,OGが卒業しても忙しい合間を縫って練習してくれて、エキストラとして参加してくれる、ある種 同窓会のような雰囲気もある。今回もその当時一緒に演奏してたOB,OGに再会し短い間だったけど近況を語り合った。頭に白いものが目立つようになってた り、子供を連れてきてたりと多少の変化はあるが、変わらない様子に嬉しくなった。 演奏は、長年の伝統というか普段教えている岩手大学管弦楽団とはまた違った趣があった。技術的にも難しい曲を、よくこなしていたと思う。もうこのオーケストラに参加することはもう二度と無いかも知れないと思うと、ちょっと寂しい気持ちになった。 さて別件、来年3月にN響佐賀公演がある。その際『一文字』で飲みたいのだが、誰か一緒に行く人メール下さい。

11.28 昨日はN響福岡公演のため飛行機で往復、早めに出て博多でラーメンを食べた。その後中洲ぜんざいをデザートで食べる。軽く散歩してホールに戻り、個人練 習、リハーサル。リハが終わって本番までの1時間に家庭用の明太子を買いに行く。着替えて本番、24日と同じプログラムで今回が3回目。やっと落ち着い て弾けるようになった。会場のアクロス福岡は、ステージが広く後ろの反響板までかなりの距離があるせいか、音がまとまりにくい。響き自体はいいと思うんだ が、音が拡散してしまって弾いても弾いても手ごたえの無い感じがした。それでも大盛り上がりしてチャイコフスキーの最後の作品を弾ききり、その足で福岡空 港に向かう。地下鉄の車内で打楽器の植松さんに「この調子だと1本前の羽田行きに間に合うんじゃない?」との声に唆され、空港カウンターにダッシュしたら 間一髪間に合い予定より1時間ほど早く家に帰ることができた。
そして今日は朝の東北新幹線で盛岡へ。11月7日以来の岩手大学管弦楽団のヴァイオリン分奏をみる。 前回より見違えるくらい良くなったところもあり少し嬉しい。本番まで約1ヶ月、技術精度を焦らずじっくり高めることはもちろんだが、本番一発に全力が出せ るように気持ちも高めていって欲しい。県民会館は響きにくいのでしっかり音を出すように!

11.24 祝・松平健紅白出場!マツケン・サンバが紅白で聞けるなんて!紅白に余り興味の無い僕にとってもマツケン・サンバは是非観てみたい。今年、マツケン・サンバほどあらゆる世代に知れ渡った曲は無いのではないかなどと考えている。とにかく喜ばしいことだ。 さて、今日はサントリーホールでの定期演奏会、先週に引き続きファビオ・ルイージ指揮で、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(ゲルナー独奏)とチャイコフ スキー:『悲愴』の2曲だった。ルイージはやはり素晴らしい。少し振り回し過ぎのところもあるけどそれ以上に音楽が伝わってくるし、なにしろその音楽が熱 い!最初から最後まで引きつけられっぱなしの演奏会だった。終わった後はグッタリ。放心状態で家路につき、その足で飲みに行った。とてもビールの美味い本 番だった。

11.20 昨日と今日のルイージ指揮定期演奏会、ソリストのツェートマイヤー共々感激の2日間だった。ツェートマイヤーはブラームスの協奏曲を弾いた。僕は彼のブ ラームスが大好き。CDになっているものはマイクが近すぎるのか、響きが少なくツェートマイヤーの良さが出ていないと思うが、FM等のライヴ放送を聴くと これほど「ファンタジー溢れる」演奏はそうそう聴けるもんじゃないと思う。それに加えて、限界を超えた表現力!ギリギリを絶えず追及するそのチャレンジ精 神には頭が下がる。我々、表現してなんぼのもの。「彼ほどの世界的演奏家がそうなのだから、僕もいろんなことに負けずにチャレンジして、できることを表現 しなきゃ」と、本当に勉強させられた。それと、2日とも彼の音楽にどっぷりと漬かることができて、本当に幸せだった。 前半ですでに満腹状態だったが、後半のルイージはこれまた素晴らしかった。先週のサヴァリッシュで感動してしばらくは胸いっぱいだったのが、ルイージで別 の感動をもらった。彼は本当に素晴らしい!!!頭は明晰だしパッションも溢れている。とても緊張し個人的には課題が残る演奏会だったけど、彼の棒のもとで この緊張感を味わえたのが嬉しい。逆説的だが。是非とも続けて、一緒に演奏していきたいと思った。

11.16 今日からファビオ・ルイージの練習が始まった。今日はレスピーギ:ローマの噴水、とドビュッシーの『海』を練習した。どちらも前音楽監督デュトワの得意と する曲でレスピーギは記憶に無いが、『海』は到るところでデュトワの練習を思い出した。ところでルイージ、いつものように最低限の挨拶だけで振りだした。 彼の頭の中にはしっかりとイメージができ上がっているらしく、非常に判りやすく伝えてくれる。出来るまでは何度も繰り返すが、伝わったことが確認できたら それ以上はつつかない。無駄が無く密度の濃い練習でとても楽しかった。でも非常に疲れた。デュトワの『海』はリズムや強弱など楽譜に忠実に演奏するが、ル イージは楽譜に無い細かいニュアンスをたくさん求めていた。音のイメージというか、音色の作り方がとっても素晴らしく、「そうだった、そうだった」と改め て確認させられた。練習はなかなか厳しいけど、素晴らしい演奏会になりそうだ。

11.15 14日東大宮でのLibera! Chamber Music Series2004も無事終了。曲はモーツァルトのみ、ディヴェルティメントK.563がメインだが、その前に未完で終わった弦楽三重奏も弾いた。第1 楽章の展開部に入ってすぐに絶筆されたK.562e、中途半端なところで演奏をやめた瞬間の客席の反応が 面白かった。普通の演奏会ではこのような曲はなかなか取り上げられない。こういったことが出来るのも、小さなサロン・コンサートの良さである。メインの K.563は先週雫石で演奏したときより、全体的に余裕が出来いろいろ周りが見えるようになってきた。ただ、楽章間でいろいろ話を交えながら演奏するの は、演奏に移ってしばらくは調子が出ない。続けて演奏したほうが、前後の構成間も出しやすくテンションも維持しやすいので難しいものだ。それにしても、 ず~と弾きたかったこの曲をまとめて3回も演奏できたのはとても嬉しく、またいろんな収穫があった。 終演後は例によって打ち上げへ。山浦食堂で初の貸し切り打ち上げだ。マスター、気合いを入れていろんな料理を出してくれた。芋焼酎とともに、料理と会話を楽しんだ。

11.10 今週は比較的暇で、連日洗濯したり布団を干したり、銀行周りをしたりして雑用をこなしている。先日行った盛岡でスタットレスタイヤを購入、帰京してから交 換してもらった。余ったタイヤをベランダに置き、それ専用のラックも組み立てた。雑用をやりはじめるとあっという間に時間が経ってしまう。そうそう、三谷 幸喜の大河ドラマ「新選組!」を全部DVDにダビングしているのだが、全部ちゃんととれているかどうか確認して、サムネイルを登録し直し、ファイナライズ する、こんな作業も時間があるとたまらなく楽しい。そんなわけで、久しぶり(約1年3ヶ月ぶり)にデジカメ写真館も更新した。先日の雫石演奏会の打ち上げ 写真と9月にN響北海道ツアーで移動中に回ったスナップ。人は全く写っていない。食べ物と景色ばかりだ。

11.8 雫石ラ・ラ・ガーデンコンサート「Libera! Chamber Music Series in 雫石」が6日無事盛況で終えることができホッと一息。昨晩遅く車で帰ってきた。雫石での演奏会は去年11月に続いて今年で2回目。今回はモーツァルトの傑 作、ディヴェルティメントK.563を初めて弾いた。いつか弾きたいと思い続けてたこの曲を弾けただけでも嬉しいのに、満員のお客さんに囲まれてとても気 持ちよく演奏できてさらに満足。終演後は、会場のお客さん達と地元でとれたハーブ・ティーを飲みながらお話をした。夜盛岡市内に入り、『網玄』で打ち上 げ。マツカワカレイの刺し身が美味かった。 翌日は岩手大学管弦楽団のヴァイオリン・パートを教える。かれこれこのオケとの関わりも13年になる。初めて行った時は大学3年で同級生も多かったのに、 今では一回り以上違う生徒の方が多くなってしまった。今年は『運命』をメインに『リエンチ』序曲とラフマニノフのP.Con.#.2だ。勢いのある場所で はかなり成果はあったけど、ゆっくりしたヶ所では気が緩むのかeasy missが多くなる。緩徐楽章ほど集中力がいるのに、白玉を見ると易しく思えてしまうのだろう。せっかくいい感じで出来てきてるだけに残念だ。次回までに 頑張ってくれ~。

11.2 サヴァリッシュが2年ぶりにN響に登場、昨日今日と2日間練習をした。僕の2年前はウィーン留学中だったので、彼の棒で弾くのは3年ぶりとなる。1年半前 にはサヴァリッシュ指揮ウィーン響演奏会を2つ聴いたしそれほど経ったように感じないのだが、ずいぶん雰囲気が違う。以前の彼なら有無を言わせぬバトン捌 きでグイグイ引っ張っていたのに、今回はオケに任せる割合が格段に増えたようだ。ブラームスの第2楽章では、「もっと自由に」とまで言っていた。今回の プロはシューマン:「序曲、スケルツォとフィナーレ」、イベール:フルート協奏曲(パユ独奏、すごい!)、そしてブラームスの1番。ブラームスは楽譜に書 いてあることのみを太い筆で一筆書きのように演奏していく。息が長い!そしてシューマンは、さ、さすが。「はっきりと、そして格調高く!」と言ってその通 り振れる指揮者はそういないと思う。明日と明後日の演奏会は、今から緊張しているが楽しみだ。
今日の夜はサントリーホールでウィーン響の演奏会を聴きに行った。こちらもメインはブラームスの1 番、指揮のクライツベルクはウィーン響の首席客演指揮者だそうだ。久しぶりに聴くウィーン響は、暖かみのある音色で懐かしかった。メインのブラームスの1 番は管楽器が倍管の16型、ヴァイオリンは対抗配置で、ステージ後ろにコントラバスが1列で並ぶウィーン・スタイル。対抗配置なのに中音域 (2nd.vn.va.セクション)の響きがよく聞こえるし、木管・金管もタイム・ラグなしに弦楽器の響きに溶け込んでくる。ベルリン・フィルのような 派手さはないけど、オケとしてのまとまりは1級品。一団となってじわじわ進んでいく様は、何かを思い出させてくれた。やっぱり音楽が1番だ。 明日、同じホールで同じ曲を演奏する。自分の音楽をやるだけだ・・・。

10.26 23日に起こった新潟県中越地方の大地震には本当に驚かされた。その日はoffで、夕方来月のリベラ!の宣伝チラシを届けようと準備していたその時、埼玉 の自宅でも結構揺れたので慌ててテレビをつけたら震源地の新潟圏で震度6強、この辺りでも震度4はあった。その後、車に乗っていても揺れを感じたし、立て 続けに大きい地震が来るので不安が増す。今年は五黄土星の年、天変地異が多いと聞いていたが、台風の上陸記録を更新し各地で記録的豪雨が降っただけでな く、これほどの大地震が来たとなると、ずーと言われ続けている関東大震災もそう遠いことではないのではないかとちょっと覚悟した。 今日はアシュケナージ弾き振りでモーツァルト:ピアノ協奏曲の録音、27番を録り終えた。見た目はまだまだ若々しいアシュケナージ、万年青年のイメージが 強いけど、実はもう60歳を過ぎていたりする。その年齢に違わない一音一音を語り尽くすようなモーツァルトを演奏していた。さすがとしか言い様がない。

10.22 今日は第11回Alberi String Quartetのベートーヴェン・シリーズ、初期作品群の最後の回だった。曲目はバッハの平均律の編曲ものの五重奏曲(チェロ2本)とセレナーデ、弦楽三 重奏曲第4番、ホルン・ソナタのチェロ版、弦楽五重奏曲op.29の5曲。僕はホルン・ソナタ以外出番。セレナーデでテンションが盛り上がってしまい、そ の後続けて演奏した弦楽三重奏曲はバテ気味。GPで思いの外上手くいってしまっただけに、ちょっと残念。この雪辱は来月頭の雫石で果たす。最後に演奏した 弦楽五重奏曲にはゲストに仙台フィル首席の佐々木真史が参加、このふざけた曲は練習ではその面白さが全てでないが、本番の乗りが曲の面白さをどんどん引き だしていく。一番うまくいったと思う。終演後はいつものところで打ち上げ。1曲目に参加したチェロの大友裕子さん共々、短時間でサッと盛り上がって11時 過ぎにお開き。来年は2月20日、遂にラズモフスキーの登場だ。 今月も後一週間、これを乗りきれば少しホッとできる。もう少し、後一週間だ・・・。

10.19 先週の定期(アシュケナージ指揮でアルペン・シンフォニー他)、久しぶりにアルペンを弾いたが改めて難しい曲だと実感。技術的にも大変だが、今回は大曲が あっという間に終ってしまった感じ。時間的には50分弱かかっているけど、もうちょっとじっくり登りたい感じがした。練習中しっくりこなかったところを、 家に帰ってから彼のCDを聴いて確認してみたらそれも同じアプローチだったので、彼としては完成されているのだろう。前半のシューマン:ピアノ協奏曲はグ リモーの独奏が派手ではないけどしっとりとした演奏で良かった。シューマンはいつ弾いても熱くなれる。
15日の定期演奏会のGPと本番の空き時間、日本橋高島屋の『石原裕次郎の世界』展を見に行った。別 に裕ちゃんファンというわけではない。西部警察のファンである。その西部警察が今月末スペシャルで放送されるということ、そしてなんとこの日は石原軍団に よる『炊きだし』が行われるというので、それが目当てで渋谷から銀座線で向かった。入場無料の『裕次郎展』では入り口で宝酒造オリジナルの裕次郎ボトル キャップを配っていた。中に入ると、今度放送されるドラマ「弟」の撮影風景やら、セットのレプリカ、裕次郎ゆかりのグッズ、衣装、果てはハワイの別荘のモ デルルームまで展示されている。そして最後の方にやっと西部警察のコーナーが・・・。その昔、銀座のど真ん中で戦車を走らしていたのは今から何年前になる のだろうか。日産自動車を毎回何台も爆破してたなんて、今から考えるととてつもなくスケールのでかいことをやっていたもんだ。今回新しく放送される『西部 警察』には渡、神田、館らいつもの軍団の他に大杉蓮など新顔が加わり女性刑事役に戸田奈穂も登場、なかなか渋いメンツだ。ますます月末の放送が楽しみに なった。 屋上に上がるとそこは石原軍団炊きだし会場、さすがに渡哲也自らカレーを振る舞うって事は(僕の行った時間では)なかったが、そのスケールの大きさにビッ クリする。100円の入場料を払い食事券2枚、飲み物券1枚を受け取る。食事は、赤飯、おでん、焼きそば、カレー、天丼等の中から2品、飲み物は缶のお茶 やペットボトルのお水と交換してくれる。お茶をもらうだけでも元を取れる入場料なのだが、これは全てチャリティで寄付されるそうだ。僕はカレーと天丼に交 換、カレーは人が立ったままゆうに入れそうな大釜で煮込み、牛肉がトロトロに溶けるまで煮込んであった。またその肉が大量!一体何キロの肉を仕込んだんだ ろう。ちょっと見てみたい、肉の塊。石原軍団、今も昔もスケールのでかさは超1級である。

10.9 今日は台風22号直撃の中サントリーホールで音楽監督アシュケナージのお披露目演奏会だった。プログラムはオール・ベートーヴェンで『レオノーレ』序曲第 3番、交響曲第4番、第5番。台風がもろ直撃ということで本当にお客さんが来るのだろうかと心配だったが、パッと見たところ7割方の入り。有難い、こんな 悪天候でも来てくださり感謝いたします。今日は弾いていてとても楽しかった。何がどうのこうの、ってあるわけじゃないが、自分ができる最大限のことを一生 懸命できてそれだけで幸せ。明日もその勢いで頑張ります。終演後は最近行き付けになりつつある『山浦食堂』で一人打ち上げ。気持ちのいい演奏をしたあとの 酒はことさら美味い!今日も美味しいおつまみをいただきました。 yamaura-01
僕のサングラスをかけたマスター。愛想は悪いですけど、味は確かです。山浦食堂!

10.4 10年前に一緒に室内楽を演奏して以来交流が続いているチェリスト、ヤン・ソンウォンがドヴォルザークのチェロ協奏曲のソロをするというので、昨日はオ ペラシティでソウル・フィルハーモニックの演奏会を聴きに行った。ステージの上だけでなく客席でも演奏したことがあるくせに、実はオペラシティの客席で演 奏会を聴くのは初めてだ。なので、結構ドキドキしながら座席を探しているとき、ふとウィーンでの演奏会三昧を思い出した。 1曲目は小編成のオケにマイクを通して民族調の歌が入る韓国の作品。日本と同じ5音音階なのに、ゆったりとしたテンポと明るい和声感がどこか解放感を感じ させる作品だった。続いて2曲目ソンウォンが登場、指揮者がスコアを取りに帰ったのは御愛嬌(普通はスタッフが置いておくものなのだが、忘れたのかな)。 彼の演奏をマジマジと聴くのも良く考えれば初めて。たえず周りに気を配り、オケや指揮者とコンタクトを取りながら一緒に盛り上げていく。聴いていて10 前のことを思い出した。12型のオケ編成だったけどオペラシティは響きすぎる傾向があるので、ソロがオケにたまにかぶってしまうのが残念だった。アンコー ルにバッハの無伴奏チェロ組曲から1番、これは豊潤な響きで絶品だった。 終演後はソンウォンとコンサートマスターと3人で軽くビールを飲みながら、色々話をした。何を話したかここで全部は書けないが、来年3月にも室内楽で来日 する、そのころにバッハの無伴奏チェロ組曲がEMIからCDとLPの両方で発売されるとのこと。次回の来日時には是非食事に行こうと約束をし、またこちら が韓国に行った時は焼き肉を食べに連れてってくれるそうだ。今から楽しみ。

10.2 今日は毎年恒例の霧ケ峰沢渡ヒュッテ・ジャヴェルでのHoff Piano Trio 演奏会、今年はベートーヴェン:ピアノ三重奏曲(七重奏曲の編曲版)とアレンスキーのピアノ三重奏曲の2曲を演奏した。この2曲、普段じゃなかなか演奏さ れない作品であり、これだけで演奏会をするとなるとなかなかお客さんが集まりにくいプログラムでもある。でも、年に1回のペースで続けて演奏していると、 有難いことに「この場所で我々の演奏を楽しみに来てくれる」お客さんに助けられ、また甘えもあり、やりたい曲をやりたいように演奏させてもらえる。今回は 個人的にいろいろ迷いがありこの演奏会が少々不安だったけど、暖かいお客さんの雰囲気に助けられ緊張しながらもかなりハジけて演奏できた。ここでの演奏会 は客席がとても近く客席の反応がダイレクトに伝わってくるので、弾き終った後の爽快感は格別だ。本当は弾きながらも、「どう?」なんて話ながら弾いてみた いくらいフレンドリーな空間ができあがっている。こんな場所はそうできるものではない。

9.30 今日の定期演奏会で2nd.ヴァイオリン・フォアシュピーラーの清水さんが退団された。清水さんとの出会いはまだ大学4年生の頃、田中千香士先生のアンサ ンブルで御一緒したのが最初だった。楽屋で隣に座っている清水さんは無駄話もせず、淡々とした佇まいでいかにも職人という感じだった。その時はまさか自分 がN響に入るとは思ってもみなかったが、その後同じ職場になり、今日は光栄にも隣で弾くことができた。ステージに上がって指揮者が出てくる直前、「今日は 少々動揺してますがよろしく」と静かに話かけられた、確かそんなことを言っていた気がする。というのも俺自身も動揺していたのだ。バックステージでも ある女性が「清水さんが最後だと思うと涙が出てきちゃって」と言っていた。そんな清水さん、動揺していると言いつつもいつもと変わらず、いやそれ以上の 高いテンションでN響最後のステージをこなしてゆく。最後の曲「セミラーミデ」序曲が終った後、「どうも有難うございました」と言いながら握手した時の優 しく暖かい表情は忘れられない。俺は涙をこらえるためにいろんなことを考えて気を紛らわしていたが、右手は本番直後なのに冷たく緊張したままだった。 2nd.ヴァイオリンから代表して山口さんから花束を渡して頂き、指揮者サンティからもねぎらいの握手、袖に下るときには楽員がそれぞれ清水さんと握 、素敵な演奏会だった。実は清水さんとは誕生日が一緒だったこともあり、今年の誕生日には僕が日本酒をプレゼントしたら、翌日わざわざ信楽のぐい飲み をくださった。もちろん愛用している。清水さんの新たな人生の御成功をお祈りします。 それにもう一つ、昨日マエストロ・ワルベルクがドイツ・エッセンで死去された。今日の1曲目「スコットランド」は、N響は彼に捧げるつもりで演奏した。いろんな見えないドラマがあるなか、演奏会は進行していく。

9.29 サントリーでの定期初日、GP後にお気に入りの赤坂のパスタ屋さんに行ったら打楽器の久保さん、竹島君と合流、食後もお茶を飲みながらいろいろオケの話し などをして盛り上がった。それでも本番までの時間かなり余るので、久保さんを誘ってクイックマッサージに行ってみる。このところ体がガチガチなので、多少 ほぐしてもらうだけでもかなり効く。終った後は、足取りが軽くまるっきり違っていた。 楽屋で少々仮眠を取り、本番前のコンディション作り。いろんなことを考えながら寝ると、起きたときに考えていたことが整えられるような気がするので、この 仮眠も欠かせない。今日の本番は前回の反省点を克服するのが目標、GPでも本番でも心地良い緊張感の中テンションも高めに弾くことができて一安心。テン ション高すぎてコントロールができてなかったのは新たな反省点だけど、明日昼間にもう一度基礎を見直して再度チャレンジしてみる。
終演後は最近お気に入りの「山浦食堂」に行くべく店に何度も電話を入れたのだが、やっとマスターがで たと思ったら「今日は悪天候で休みにした」とのこと。これは「今日は飲みに行くな」ということだと思い、近所の健康ランドに行った。台風が近づいているせ いか、館内はガラガラ。サウナ、水風呂、ジェット・バス、そして天然温泉と一通り入って体をほぐした。終演後飲み屋に直行するより、こっちの方が体には圧 倒的に良さそうだ。体がボーッとして気持ちいい。ぐっすり眠れそうだ。

9.25 今週の休みはとても有難かった。気分的にも体的にもかなりリフレッシュできた。疲れが溜まってくると、色々面倒になってきて食事もついつい外食が多くなっ てしまう。今週は同級生との飲み会もあり外食続きだったが、今日は久しぶりに家で料理。スーパーで刺身用のイカを買い、刺身と塩辛を作る。他にもナスの煮 物と浅漬けを準備、これで夜の酒のあては完璧だ。翌日の心配をせずにゆっくり飲めるのは、休みの日ならではの楽しみ。
メダカの子供は着々と育って初代は体長1センチほどになった。その後も産まれてくる稚魚と一緒にする と、初代にいじめられてしまうのでまた新たな水槽が登場、ウチの食卓の上には子供用と稚魚用の小さな水槽が二つ乗っている。日に当たると小さい点々がチロ チロ動くので見ていて飽きない。また金魚はますます巨大化してきている。これだとメダカの稚魚は丸のみだ。

9.21 18,19日のN響定期演奏会は今シーズン開幕コンサートであったにもかかわらず、GPでテンションが上がらず不安で一杯だった。こんなことは初めてだっ た。演奏会では空回りもせずどうにか演奏できたので、ホッとして終演後のカーテンコール時に客席を見渡したら、空間がとても暖かく感じた。やっぱり人前で 演奏できるってことは有難い。 2年前の明日は留学に出発した日で、去年の6日に帰国。帰国して1年、あっという間で全力 疾走してきた様な気がする。ここの所、寝つきも悪く疲れがたまっているので、久しぶりに健康ランドに行った。サウナに入り、ハーブの湯やジェットバスに入 り、マッサージも受けた。いつもなら30分も入れば飽きてしまうのに、この日は1時間あっという間に経ってしまい、マッサージの予約を入れていたために仕 方なく風呂をでた。おかげでゆっくり寝ることが出来た。ただ、朝気持ち悪くて目が覚める。どうやら寝る直前に食べたステーキが良くなかったらしい。

9.14 13日代々木上原のムジカーザでモーツァルト:ディヴェルティメント2曲の演奏会だった。メンバーは学生時代からの友人が多く、練習中から普段とは違う雰 囲気。練習時間の半分以上は冗談しか言っていなかった位、楽しく進んでいった。そして演奏会、今回のコンセプトは個人的に「ピチピチしたモーツァルト」 だったので、とても活きのいい演奏になったと思う。客席はとても暖かく、演奏者とお客さんが一つになっているのが実感できてとても嬉しかった。ずーと前か らやりたかったK.334のディヴェルティメントはさすがに大変!特に最終楽章のロンドは、散々難しいパッセージを弾かされた最後に最難関が待っている。 それも2度も!宴会の最後でもう限界なのに無理やり一気呑みをさせられて、ホッとする間もなくもう1杯・・・、そんなことを考えながら弾ききった。体力が 残っていればアンコールにもう1度ロンド楽章を演奏したかったが、とてもその元気がなくお客さんのリクエストによってメヌエットを演奏した。本当に気持ち いい演奏会が出来てとても満足している。 終演後はメンバー一同打ち上げへ。車だった僕はウーロン茶をずーと飲んでいたけど、それでも皆で多いに盛り上がった。
自宅に着くなり、物陰から警察官が現れビックリした。パトカーが止まっていたので気にはなっていたのだが、話を聞くとバイク泥棒(未遂)の通報があり被害者と現物のバイクを見に来たところだった。このところ、車泥棒も多発している。物騒な世の中になってきた。

9.10 今日、久しぶりに弦を張り替えた。留学中は半年に1度ほどしか替えなかったけど、日本は湿度も高いのでそうもいかない。以前はE線以外全部ガット弦にして いたけど、最近はD,G線がオリーヴでガット弦、А線をシノクサ(ナイロン弦)にしている。ナイロン弦を使うのは久しぶりで、取り替えるタイミングが難し い。つい先日替えたと思ったら、もう響きがなくなっていたりであっという間に消耗してしまうので、ストックは多めにしておかないといけない。ナイロン弦と ガット弦を比べると31の割合で替えているかも。
先月から飼いだしたメダカ、卵を金魚に食べられないように別容器に移してから順調に孵化している。子 メダカ用の水槽には(死んでいなければ)現在15匹の子メダカがフヨフヨ泳いでいる。これだけ多くなると、数を数えるのも不可能。だいたいジッとしている メダカはいない。親メダカも毎日数個ずつ卵を産んでいるので、このままだと大変なことになりそうだ。一匹だけ生き残っている金魚も着々と太ってきている。 飼いだしたときより倍くらいに成長した。金魚とメダカの共存も、今後難しくなりそうだ。

9.8 今月頭から約一週間北海道ツアーだった。今回は札幌、函館、釧路、帯広、旭川の5箇所で演奏会、指揮はJ.ノット、「英雄」がメインで、前半はA.バック スという若手ピアニストでチャイコフスキーの1番という大曲2曲のみの重いプログラム。猛威を振るった台風16号と18号のちょうど合間を縫うように天気 にも恵まれ、雨にも降られず快調に過ごせた。 今回の指揮者ノットは、僕はとても共感できる。人はとても良いし、毎回の演奏でテンションが落ちない。5回も「英雄」を弾くと、首、肩、背中がバリバリに なってくるが、それでもついつい盛り上がって弾いてしまうのは彼の仕業でもある。それに最終日の旭川では、個人的に初めて「英雄」が体に馴染んだ気がして とても嬉しかった。7月から演奏旅行続きでいろんな指揮者が来てくれたが、その中で一番好きな指揮者だ。 北海道、毎回新鮮な魚を堪能した。特に函館は以前も行った「よかろう」、ここは終演後すぐに呑みだせる非常に便利なところにある。お店が移転して新しく なっていて、メニューもお任せコースが3000円からとお得感満点。釧路ではふらっと入った炉端のお店が当たりだった。結局二日続けて行ってしまっ た・・・。