2004年5月〜8月の旧酔っ払いの戯言









8.31 台風16号は凄かった。先月も台風が直撃した演奏旅行先の宇野、高松、松山が、テレビで見ていると凄いことになっている。楽器をもって歩いていたはずの場 所が水に浸かり、海と陸地の境目が判らない状態だった。意思があるのではないかと勘ぐってしまうほど、今回の台風は大潮で、さらに満潮時を狙ったかのよう に移動していった。今年の夏は、猛暑、台風、そして高速道路での重大事故など、予想を超えた出来事が沢山あった。
うちのメダカ達は、その後卵から孵化した子メダカ7匹が順調に育っている。このほかにも、10個ほど卵が孵化を待っている状態だ。金魚はこの1月で二回りは大きくなったし、その他の親メダカも落ち着いた佇まいで泳いでいる。

8.26 演奏旅行から無事帰ってきた。今回は全て車での移動、途中同乗者は多少入れ替わったが全て一人で運転した。というのも、自分の車がマニュアル車なので替わ りに運転する人がいなかったのだ。途中23日の移動日には一人で盛岡に泊まり、行き付けの「網玄」そしてチャーリーの姉妹店「酒Gura」をはしごする。 この日は気候も心地良くいつも以上に呑んでしまい、最後の方はあまり良く覚えていない。翌朝も二日酔いだったが、この日は秋田に移動しなければいけないの で、頑張ってホテルを出た。秋田での本番後は、かなり控えめの食事にして早めに寝た。 今回指揮者のクレーは、本番を追うごとに練習とは随分違うアプローチになっていった。普通、連日同じ曲で演奏していくと徐々にオケ・ペースになっていくこ とが多い。これは練習からの指揮者の要求に慣れていくなかでそれぞれが居心地のいい場所を見つけて動いていくわけで、演奏が安定(こなれて)しているの だ。今回は全くその傾向にならず、毎回指揮者ペースの新しいアプローチになってた。僕としては、もっと前向きにガンガン行きたかったかな。そろそろいける かな~って頃になると、ブレーキをかけられる感じがした。
家に帰ったらメダカの卵から子メダカが2匹孵っていた。体長約3ミリ。こんなの、金魚から見たら踊り食いだな、と思っていたら案の定行方不明に。その後新たな1匹が孵り、それは隔離してある。今日、小さめの水槽を新たに買ってきた。

8.19 昨日から仕事開始。ベルンハルト・クレー指揮で東北旅行の練習だ。休み明けはいつも調子悪い。しばらく緊張しているし、どう弾けばいいのか忘れてしまう。午後には少し戻り、今日はだいぶ戻ってきた。指揮のクレーも練習をしっかりするのでその点は有難い。
ホントに暑い夏休みだった。この休み中は何処にも行かず、金魚とメダカの世話を楽しんでいた。2代目 金魚の太郎と次郎は、残念ながら太郎が数日前に死んだ。今は次郎のみ。それも昨日夜に動きが鈍かったので塩水に一晩浸けて様子を見たら、今朝にはいつもの ように活発に泳いでいたので一安心。メダカは盛んに産卵をしている。最初は水槽の中にそのままにしていたら、親に卵を食べられたり、カビが生えて死んでし まったりとなかなかうまくいかない。現在は別の容器に4つ、移して様子を見ている。今日は目らしき黒い点々が見えるようになっていた。演奏旅行から帰って きたころには稚魚が生まれていると良いけど

8.11 昨日久しぶりに銀座に出た。楽譜を買いにヤマ○に行くためだ。ところがなんと夏休み中。おいおい、なんのためにわざわざここまで来たんだと憮然とした が、そこは銀座、ヤ○ノ楽器が近くにあるのでそっちに方向転換。目当ての楽譜はなかったけど、興味深い書籍とCD,DVDを購入。CDは去年ルツェルン・ フェスティヴァルで行われたアバドのライヴ録音と、クライバー追悼コーナーにあったルチア・ポップのaria集、DVDは同じくクライバーの「バラの騎 士」でウィーン国立歌劇場でのライヴのもの。これは一時期出たときに買いそびれたものだ。去年ウィーンで 聴いた「バラの騎士」は、ウィーンならではの艶っぽさが未だに心から離れない。それにクライバーが振っていると思うだけで、何とも、居てもたってもいられ ない感じだ。まだ最初の方しか見てないけど、期待を充分満たしてくれる。この休み中に全部見終えたい。
先月末に我が家にやって来た金魚2匹は、小さいやつ(たまちゃん)が早々に死に、写真にも写っている 大きいほう(ふくちゃん)も8日の夜に死んでしまった。特にふくちゃんは愛着も湧いていたので残念だった。せっかく水槽も一式揃えてあるので2匹(太郎と 次郎)が2代目金魚として家に来た。他にもメダカ10数匹も一緒で水槽内はとても賑やかだ。今度の金魚は食欲おう盛で、餌をやるたんびに全てを食い尽くさ んばかりの勢いで集ってくる。メダカもそのおこぼれにありつこうと、果敢に金魚に挑んでくるので見ていてほほ笑ましい。あいかわらず暇さえあれば、水槽の 前で餌をやったりごみを掃除したりしている。

8.3 台風が通りすぎた1日、松山公演を終えたN響は夏休みに入った。終演後、その足で松山駅に向かい特急「しおかぜ」に乗って京都に向かった。台風が通りすぎ たといってもまだ雨雲が残っており、香川県に入るころにはかなり強い雨が降っていたが、この日は無事瀬戸大橋を渡り岡山から新幹線に乗り換える。京都では 実家のそばにある居酒屋に直行。ここでも烏賊、ハモ、京風出汁巻き卵などを銘酒「十四代」と共に楽しんだ。 昨日は、レンタカーを借りて市内観光。住んでいたころ行ったことのない鞍馬山に行ってみた。市内中心部から約30分、北の外れにある鞍馬山は、「千手観 音」「毘沙門天」「護法魔王尊」の三身を一体として祀ってあるところで、入り口である仁王門に一歩足を踏み入れると、まっすぐ伸びた杉がいくつもあり、な かには直径一メートルを越えるものもある。その荘厳な雰囲気に心が洗われる気がする。途中までケーブルカーもあるが、折角なので九十九折り参道を歩いて上 ることにした。途中にも由岐神社や中門などいろいろ周り、30分ほどで本殿金堂にたどり着いた。ここはかなりきれいだ。先日の日光東照宮と比べると、空気 の浄化のされ具合がまるで違う。疲れたときなど、是非行くことをお奨めする。帰路は疲れたのでケーブルカーで下りる。たった2分、あっという間に下界だ。 京都には個人的に行きたいお店がいくつもあり短い日程ではとても廻りきれないが、レンタカーを駆使してまずはわら天神側の「ラーメン藤」ヘ行く。むかし懐かしの醤油ラーメン、小さい頃よく通った店でまさか残っているとは思わなかったが、美味いラーメン屋は残っているものだ。値段もほとんど一緒、味も変わらない。モヤシの盛り具合が若干軽めになったけど、注文時に「モヤシ多めで」といえば完璧だ。 ラーメンでお腹が一杯になったらデザートを求め、下鴨神社側のみたらしだんごへ。今宮神社の炙り餅とかなり迷ったけど、やはりここのみたらしだんごにはか なわない。関東のそれとは、まるで違うだんごと甘タレは無性に食べたくなるときがある。これも日持ちがしないし、団子がすぐ硬くなるのでそこに行って食べ るのがベスト。是非ここもお奨めしたい。 お腹も満足したので、再びレンタカーで高雄、嵐山と抜け京都駅の伊勢丹で買い物。たった半日で有意義な京都観光を楽しんだ。 ちなみに今日も昔からある洋食屋さんでビフカツを食べ、鍵善で葛切りを食べて、京都駅で駅弁と黒豆の枝豆を買ってから新幹線で東京に戻ってきた。

8.1 週末の演奏旅行は数年に一度のハプニング、台風直撃に見舞われた。掛川、三河安城、1日移動日を挟んで松山で演奏という行程は、変則的な動きの台風10 とほぼ同じように移動しなければいけなかった。特に心配された名古屋から松山への移動は、案の定早々に瀬戸大橋が通行できなくなり、岡山から特急に乗り換 える予定は宇野行の臨時列車と宇高連絡フェリーに代替輸送された。四国を結ぶルートはここしかないのか、フェリー内は満席で立っている人も大勢いる。指揮 者、ソリスト、コンマスも同じフェリー。まあ、フェリーが動くのならと少々安心していたら、約1時間の航行も次第に揺れが強くなりだんだん不安になってく る。高松では強風と叩きつける雨で台風により近づいたことを実感した。高松港からJR高松駅までは距離にして500メートルくらいだろうか。「タクシーに 乗るほどの距離でもないから」と歩き出してすぐにその考えが如何に甘かったかを悟る。ズボンは徐々に重くなり、折りたたみの傘は裏返ったあげく、最後の一 煽りで楽器、キャリーバックまでもが飛ばされた。手を放さなかったから良かったものの、もし考えただけでも恐ろしい。 高松からは予讃線の特急いしづちが8両で接続。本来なら岡山からの特急と併結する5両がすでに高松から連結されているわけだ。ガラガラの車内は雨から逃れ てホッとしたのと移動の疲れで静まり返っているので、窓ガラスを叩きつける雨音が余計凄さを感じさせる。予讃線は四国の北側を東西に走る。東西に伸びる山 脈が北上する台風をちょうどブロックしているので、まだ特急は順調に走れたのだろう。10数分遅れただけで、午後6時半頃無事松山に着いた。それでも普通 に移動するより約3時間余計にかかった。その時松山の天気は台風が真上にいるはずなのに、拍子抜けのショボショボ雨。風も大したことなかった。 着いてしまえば後は明日演奏するために活力補給。地物の魚を食べに紹介をしてもらったお店に向かう。大好きなハモをはじめ、ボラ&カツオのタタキ、剣先烏賊、イサキ、カンパチ、鰯の蒲焼き、天ぷら鱈腹食べた。

7.27 縁日でもらった金魚は大きめのボウルに入れて飼っていたけど、すぐ水が汚れるのと狭そうで可哀想なので、近所のホームセンターで金魚飼育セットを買ってき た。空気ポンプもついて1500円程度の代物だが手ごろだし、今までビクビクしていた金魚も落ち着いて心なしか嬉しそうだ。ちょっとした癒し、気がついた らついつい近くに行って眺めている。
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7.25 ウィーンでいろいろお世話になったCIAさんが一時帰国し約1年ぶりに再会、みんなで日光に旅行に行った。実は僕自身日光に行ったことがなかったので、 ちょうど良い機会。お目当ては日光といえば徳川家の建てた東照宮、江戸時代によくもまあ、あんな山の中に絢爛豪華な建物を創ったものだ。境内に足を踏み入 れると、厳粛な空気に身が引き締まる感じがする。休日だったわりには観光客は少なめだったかな。今日は出発が遅かったため東照宮を一通り見るだけで終って しまったが、海外ツアー、レコーディングと精神的に疲れてたし日常を離れるには充分のものだった。 帰りは若干渋滞に巻き込まれたけど、急ぐ旅でもないのでさほど気にならなかった。帰り道、たまたま通りがかった街で夏祭りがあったので、寄り道。神輿や縁 日を見るのは何年ぶりだろうか。金魚すくいを20年ぶりにやってみたら、1匹もとれずに撃沈。お土産に2匹もらってきた。

7.23 今日はAlberi String Quartet初のレコーディングのお仕事。クラリネット奏者の古賀久美子さんのCD制作のお手伝いとして、1日スタジオにいた。古賀さんは九州の方で主 に演奏活動をされており、ラジオのパーソナリティも務める多才な方。今日はモーツァルトののクラリネット五重奏曲を主に3曲録音した。なにせ慣れない録音 なので、いろいろ大変なことが多い。演奏会の場合は何が起こってもとにかく先に向かうし1回弾いてしまえばそれでおしまいだが、今回はそうはいかない。そ の分、テンションも高く、お客さんの雰囲気も手伝ってその場でしか作り上げることのできないモノが生み出される。それに比べて録音は録り直しができるけ ど、みんなのテンション、コンディションが一人でも欠けてくると、下り坂を転げ落ちるようにバラバラになってくる。いわゆる『ドツボにはまる』状態だ。今 日はそれほどヒドイ状態にはならず、比較的いい感じでとれたんじゃないかな。ミスは気になりだしたらキリがないし、細部にこだわりだすと全体がおかしく なってくる。何処で妥協するか、結局普段の実力以上はでないということで諦める。それにしても最近の録音技術は凄い!仕上がりは聴いていないが、このレ コーディング、ほとんどスタッフに助けられたようなもんだ。
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7.21 インターネットのニュースで知ったのだが、カルロス・クライバーが亡くなったそうだ。しかも今月13日にスロヴェニアのリュブリャナで、74歳だった。こ こ数年はほとんど指揮活動をしていなかったけど、あの熱狂的な演奏がもう2度と聴けないのはとても残念。最近発売された「田園」のように、保存されている 彼の録音が徐々に世に出ることを期待するしかない。ところで彼の亡くなる前日、我々N響は同地で演奏会。もしかしたらすぐそばに彼がいたのでは。心から御冥福をお祈りします。

7.18 雷雨によるアクシデントが二重三重に重なり、約三時間遅れで出発。到着も約2時間遅れだったが、無事日本に着いた。車での帰宅もいつもは混まないようなと ころが大渋滞で一苦労したが、どうにか帰宅。移動は疲れる。ビールを飲んで、久しぶりの日本食を楽しんだ。

7.17 帰国便はアムステルダムを夜出発のJAL便なので、夕方までフリーだ。午前中はゆっくり起きて荷造りをし、午後チェックアウトと同時に散歩を開始。いつも のごとく、当てもなくフラフラと歩きながら街を楽しむ。何となくコンセルトヘボウの前に来たらゴッホ美術館が目に留まり、折角なので立ち寄ってみた。土曜 日ということもあって、入り口にチケット待ちの列ができている。ムンクを見たときは面白いと思ったんだけど、元来絵に興味が無いので、ザッと一通り見た程 度で出てきてしまった。まあ、一応ゴッホの解説だけは入手しておいた。それを読むと興味が湧くかも知れない。 今日のアムステルダムは良い天気で汗ばむほどの気温。それでもさらに散歩を続けていたら、思いがけず楽譜屋を発見。このツアーでは、各都市で楽譜を探したが店に辿り着けなかったのでこれ幸いと中に飛び込む。今年9月と11月にやる3曲のディヴェルティメント(Mozart)のスコアが欲しかったので、おじさんに頼むととても親切に探してくれた。ついでにVn.Va.Duoもあるかと訊いてみたら、楽譜の束を出してくれた。お陰でかなりレアなものを数曲手に入れることが出来た。そのうちLibera! Chamber Music Seriesで採り上げるかも知れない。
そうこうしているうちにスキポール空港に到着。簡単にお土産を買い搭乗時刻まで時間つぶし。気がついたら外は雷雨だ。空をねずみ色の雲が覆い尽くしている。無事飛ぶだろうか。

7.16 昨夜キールで公演を終え、今朝再びバスでハンブルク空港へ戻り、チャーター便でアムステルダムに着いた。ここに3年前に来たときも天気は良くなかったが、 今回も小雨模様。そしてまたもやハプニング発生!預けたスーツケースがなかなか出てこず嫌な雰囲気が漂ってきたころ、見るも無残なスーツケースが流れてき た。「なかなか出てきませんねえ」なんて話しをしていたSさんは「あれ、俺のじゃねえの!」と駆け出していた。 hakai_ams.JPG スーツケースがこんな壊れ方をするなんて、思いもよらぬことだが実際あることなので皆さん注意しましょう。 さて最終日のアムステルダム公演は、集中力もあり一番まとまっていたように思う。満員のお客さんが総立ちで拍手をしてくれる様は、ステージから見ると本当 に嬉しい。コンセルトヘボウの響きにも助けられたのだろうが、普段こちらのオケを聞き慣れているお客さんからこれだけの拍手を頂けたのは、勇気づく。これ でこのツアーも終わり、後は無事日本に帰るのみである。

7.15 今回のヨーロッパ・ツアーに数冊の単行本を持ってきた。その中に宮脇俊三の『乗る旅、読む旅』がある。この人、出版社の編集者から作家に転身された方で、 国鉄全線完乗の顛末を綴った『時刻表2万キロ』他著作がある。僕も鉄道での旅行が好きなので、全国廻るのが難しい分、彼の作品を読んで行った気になった り、次回の楽しみのために参考にしたりしていた。今回この本を読んで、彼も歳をとったんだなあと少々寂しい気持ちになった。というのも、それまでは日本は もとより世界の鉄道を乗りに出掛けては名所旧跡を歴史的背景を雑えながら飛び回っていたのに、この作品では「前回は歩いたが今回はタクシーに乗る」だとか 「こちらの方が快適」、挙げ句の果てには「級友が亡くなった」だのとある。一体今年でいくつになったんだろうと、プロフィールを覗いたら何と昨年3月に亡 くなられていてさらにショックを受けた。本屋に立ち寄るたび、まずは「み」のコーナーから彼の新刊を探すことを楽しみにしていたのに。人間必ず終わりはあ るが、僕は心のどこかで「彼ならずーと書き続けてくれるのでは」という期待があったのは確か。それがこんなに早く、しかも僕が留学中に亡くなられていた なんて。心から御冥福をお祈りします。彼のポリシーは「読んで得したと思わせる文章を書く」であり、畑は違うけど「聴いて得した」と思わせる演奏を心掛け たいと今ツアーで強く心に刻んだ。

7.14 スロヴェニア公演の翌朝、気持ちが悪くて目が覚めた。昨夜のビールが残っているのかと思ったが、全身の筋肉、関節が痛い。どうも様子がおかしいので、朝食 をパスして眠ることにする。集合時刻に重い荷物を引きずって1階に降りると、具合の悪い人が大勢いた。何がどうなったか原因はわからないが、みな一様にお 腹を壊している。よりにもよってこの日はバスで1時間半かけてのフィラッハ移動、ここで2時間のリハーサルと本番を終えてからバスで40分乗らなければホ テルに入れない。このツアーで一番ハードな一日に当たってしまったのだ。とにかくバスで寝て体力回復を待つ、つもりが身体が痛くて全く眠れず。フィラッハ の会場であるCCV(コングレス・センター・フィラッハ)は楽屋も狭く、具合の悪い面々は休める場所を確保するのが大変だ。医師からもらった薬を飲み、暖 かい場所を探して外に出る。日に当たると身体が温まり気持ちいい。心なしか日光で殺菌消毒された気もして体力回復。薬も効いてきたようだ。リハーサルでは 譜めくりするのも辛かったけど、本番は多少動けるまでに回復。折角のオーストリアにもかかわらず、ホテルに着くなり布団に包まって寝てしまう。本当はビー ルを飲んで、オーストリア料理が食べたかったのに・・・。
でも、そのお陰で翌朝にはほぼ正常に戻り、クラーゲンフルト空港からハンブルク、さらにバスでキールへの長旅も問題なくこなせた。

7.12 昨日、ブルージュ・オステンド空港より飛行機でスロヴェニアの首都、リュブリャナに到着。南に来たのに気温9の表示、寒い。ここは緑が多く、山が近くに 見えるので、なんとなく懐かしい感じがする。昨日は日曜日だったので、レストラン以外はほとんど休み。駅前のキオスクがかろうじて開いてた程度の閑散とし た雰囲気の中、軽く散歩してみた。表通りはそこそこヴァラエティにとんでいるが、一つ裏道に入ると旧東欧らしい、どれも似たような形のアパートが並んでい る。のっぺりした壁には落書きがあったりと、観光地ブルージュと比べると暗い感じがするのは仕方ないか。夕食はホテルでお奨めの地元料理屋さんに行き、イ カのフライ・タルタルソースやサラダを食べた。肉肉した食事からちょっと開放されてホッとする。
2回目の演奏会も終った。今日は午後9時開演、終演が11時半、身体がボーッとしてアクビがやたらと出るのをグッと押さえ、演奏した。時差が未だ残っているらしい。終演後はどこにも出かけず、部屋でビールを飲んで終わりにする。サッサと寝よーっと。

7.10 ブルージュでの演奏会が終った。開場して10分も経つのに客席はガラガラ、せめてオケの人数よりは入って欲しい等と願っていたが、実際はほぼフルハウス の嬉しい入り状況。一曲目の武満作品はどうも理解されなかったようで、あっさりとした反応。2曲目の協奏曲に期待する。今回はチャイコフスキーのヴァイオ リン協奏曲、ソリストにユリアン・ラハリンが登場、まだ30前の若さにもかかわらず彼独自の世界を築いている。10年ほど前にムーティ指揮ウィーン・フィ ルのソリストでモーツァルトを聴いて以来、結構好きなヴァイオリニストだったので今回の共演はとても楽しみにしていた。本番では、リハーサルよりも高いテ ンションと彼ならではの歌い回しに思わずニヤついてしまう箇所もあり、とても楽しく演奏できた。このソリスト、凄い!アンコールにお得意のイザイ:バラー ド、さらに聴衆の気持ちをつかむ、熱い演奏で前半を締めた。 メインのショスタコーヴィチは全く事故が無かったわけではないが、お客さんの暖かい拍手とスタンディング・オヴェイションでとりあえず一安心。アシュケ ナージのショスタコーヴィチ、彼自身はとてもフレンドリーだし楽しそうに棒を振る。けれども本当はソヴィエト時代のいろんな思い出も沢山詰まっているのだ ろう。表には出さないけど、彼の棒から辛かった気持ちが伝わってきたような気がして、痛々しく感じた。実は、前半にあれだけ沸いてしまうと、正直個人的に は「ラハリンの上を行く演奏というのはどうしたら良いのか」迷いがあった。迷った挙げ句最終的には、とりあえず自分が出来る範囲で頑張る、ことしかするこ とはない。それも終ってみれば嬉しい、暖かい反応で、カーテンコールの時には本当にありがたい気持ちで客席を眺めた。暖かい拍手、これは何ごとにも替えが たいものである。
只今ヨーロッパ・ツアー中でベルギーのブルージュという街にいる。6日の夜11時頃、約22時間の長旅を経てここに着いた。翌日は余り大きくないこの街を徒歩で散歩&観光。去年まで留学していた時のことを思い出す。 今回は、この時期いたるところで行われる音楽祭のゲストとして出演するためのツアーであり、次期音楽監督アシュケナージとの新たな一歩でもある。8、9日 と二日間のリハーサルがあり、2つ分のプログラムを仕上げなければいけないのでちょっとハード。まだ1回も本番をやってないのにもうすでに疲れてしまっ た。今日はここブルージュで第1回目の公演。今朝の8時なので、3時間後にはGPが始まる。1回演奏会が終ると、後は次の公演地に移動しては演奏会、また 移動と、あっという間にツアーは終る。今回も残り一週間で、スロヴェニア、オーストリア、ドイツ、オランダを廻る予定になっている。オーストリアはフィ ラッハという街に行く。去年まで使っていたオーストリアのプリペイド携帯が使えたので、また新たにカードを買ってチャージしなければ。オーストリア料理も 食べたいし、街も歩きたい。楽しみはいくつもある。

7.2 今年も半年が過ぎた。あっという間だ。今月6日には約2週間のヨーロッパ・ツアーに出掛ける。約1年ぶりのヨーロッパ、仕事ではあるが楽しみだ。今回もメ インはショスタコーヴィチの第5交響曲、一昨年のヨーロッパ・ツアーでも同じ曲がメインだった。前回は旅先でもひたすら練習して何処も観光できなかったの で、今回は少しは街並みを楽しんだり空気を吸ったりしてリフレッシュしたい。演奏も大事だが、折角のきれいな街を楽しまずに音楽は楽しめまい。特に日本は 時間に追われる毎日なので、ヨーロッパのゆったりした時間を体一杯に吸収して、新鮮な気持ちで毎回演奏に取り組む、これが今回の目標?だ。出発まであと4 日。その間に、現代曲の演奏会が一つ。今回のプログラムには、先輩の望月京さんの作品もあり気合が入っている。それを乗りきって、ヨーロッパ!楽しみな7 月だ。

6.29 今日は岡山での本番を終え、飛行機で帰京する日。朝ご飯は基本的に食べないので、岡山空港に着いた時から何となく食べたい気分。でも時間がないので我慢し て羽田へ向かった。機内にいるうちにカレーが食べたくなったので、羽田でカレーを食べようかと思い始める。お目当ては、到着ゲートを出たところで美味しそ うなカレーの匂いを漂わせているスタンド式カレー屋。いつも気になりつつも素通りするお店だ。今日こそはっと入り口の前まで行ったところで、やっぱり素通 り。何故だ。冷静に考えたところ、どうもあれこれトッピングをするカレーは嫌いだということに行き着いた。要するに「基本のカレーソースにチキンやらハン バーグ、シーフード、野菜などを別に温めて最後に合わせる」スタイルが気に入らない。チキンならチキンをじっくり煮込んで、皮なんかもトロトロに溶けか かって繊維がボロボロになるくらいのやつが好き。昔お茶の水にあった「インデラ」というカレー屋さんはそんなチキンを出していた。仕方ないので、次のお目 当てに向かう。こういうときでも困らないように、一応予防線として第2,第3のお店を考えておくのがベター。京急で泉岳寺に着いて、すぐ出たところの喫茶 店のチキンカレーを目指す。が、運悪く時刻は1215分。ランチタイムが始まったばかりのお店に、ゴロゴロとキャリーバッグを引き摺って、しかもネクタ イ姿のサラリーマンと相席までして食べるのは相当気が引けるので、ここも素通り。俺は一体いつ昼飯にありつけるのだろう、等と考えながら車で家路に着 く。そういえば最近新たなショッピング・モールが出来たなと思い出して、行き先変更。ここならカレーもあるだろう。巨大なショッピング・モールは二つの大 きな建物と駐車場があり、初めて行った者には何処にいるのかさっぱり判らない。レストラン街にたどり着くまでに階段を行ったり来たりして、だんだん不機嫌 に。「もっと判りやすく作れよ」とブツブツ心の中で言いながら、やっとのことでステーキとカレーが同時に食べられるF亭に入る。この頃になるとお腹が減り すぎてもう何でも良い状態。お腹が満たされれば気分も良くなり、不機嫌も直った。 どうでもいいけど、単にカレーが食いたかっただけ

6.25 23日の室内楽演奏会は、とても心地よいものだった。一曲目のモーツァルトK.387は「サラッと軽く」決めようと思ってステージに出たのに、実際はやっ ぱり体が硬かった。GPで上手くいかなかった第3楽章のパッセージは本番でも微妙な演奏。終ってからあれこれ指使いを考え直してみた。第4楽章は少々慌て た部分が惜しいが、テンションも高かったし概ね満足の出来。2曲目の「ケーゲルシュタット」はCl.のヘススとVa.の佐々木亮君の熱い応酬が聴いてて面 白い。終った後「リハーサルと全然違う!」と興奮気味に戻ってきた亮君の言葉が全てを物語っている。そっちがその気ならこっちも!と後半のブラームスに全 力投球、「冷静に熱く」をモットーにやってみた。顔中汗まみれのヘススを正面に見ながら、音と視線でキャッチボールをするのはとても楽しい。言葉が通じな い分、より親密なコミュニケーションがとれる気がする。N響ベテラン2人と若手2人のバランスもとても良かったと自画自賛。終演後客席に向かって清水さん が「若手二人と気持ちだけでも若い二人」とおっしゃっていたが、なかなかの若さと熱さで触発された。ところどころキズもあるが、全体としてとても気持ち 良い演奏会だった。 24,25日は今シーズン最後のN響定期公演。来シーズン開幕は9月なのでしばらく渋谷にも来ない。HMVに顔を出し、注文していたテツラフ&フォークト のブラームス:ソナタ集を受け取る。他にもクラリネット・ソナタやチェロ・ソナタも入った3枚組で2600円程度(ただいまセール中で安くなっているの で、興味のある人はHMVへ急げ!)。オーチャードホール裏にある回転寿司に行って寿司を鱈腹食い、楽屋で昼寝、来週のMusic Tomorrowで弾く曲を譜読みして本番に挑む。今公演でヴァイオリンの公門さんが定期最後となるので終演後に花束贈呈がステージ上で行われた。長年お 疲れさまでした。

6.22 ここ数日休みなく仕事と練習。明日は茅ケ崎でN響清水さん主催の演奏会だ。メインがブラームスのクラリネット五重奏曲で、クラリネットはスペインの若手ク ラリネット奏者、ヘスス・D.ガルシアである。彼の英語は片言、我々スペイン語はまるっきり駄目、だが彼はウィーンに留学してたということで練習はドイツ 語でやっている。音楽用語程度なら何とか意思の疎通が図れるし、お互い通じない言葉でコミュニケーションをとろうとすると、かえって友好的に練習が進むも んである。それでもブラームス晩年の作品であるこの曲をこの歳で弾くのは、かなり冒険だ。枯れた雰囲気とそこに隠された情熱がいまいち上手くつかめない。 おっと、本番前にそんなことを書くのはあれだが、練習を始めるまでは不安のほうが多かったけど、今はだいぶ消化できてきたので明日が楽しみになっている。 彼もまだ26歳だそうで、お互い熱い演奏が出来れば良いなあと思っている。

6.16 タルミ指揮の定期演奏会、今日はサン=サーンスの『オルガンつき』をサントリーで演奏した。高校生の時に友人からデュトワ指揮のCDを借りて以来、大好き な曲の一つになっている。それこそ、目覚ましタイマーで目覚め、寝るときもかけながら睡眠・・・一日中聴いていた時期もあった。いろんな演奏、放送、録音 を聴いたなかでもやはりデュトワ指揮のモントリオール響のCDはいまだに僕の中ではベスト1。デュトワと是非弾いてみたい曲でもある。前回デュトワがN響 とこの曲を演奏したときは、不幸にも降り番だった(Quintetto Alberiの演奏会と重なっていたので泣く泣く降りた)ので、その夢は果たせずにいる。そうそう、デュトワが初めてN響の定期に登場したときにもNHK ホールで『オルガンつき』がプログラムに入っていた。その演奏を聴きに行った友人が、翌日学校で「いつものN響と全然違う音がした!」と興奮して話してい たのを思い出した。この曲、第1楽章1部の16分音符のパッセージが聴いた感じと実際の譜面とで16分音符一つ分ずれている。これを厳密に合わせることも 不可能ではないが、合わせることに終始してしまうと流れがなくなってしまい非常につまらない演奏になるのだ。あそこは音のざわめきの様な感じで、 「ザーッ」と行ったほうが良いんじゃないかと僕は思う。デュトワはその辺をさっさと振ってくれるので、流れの中で結果として合わせやすいのではないか。今 日は大好きな曲でもあるので、炸裂モードで弾いた。ついつい盛り上がってしまう・・・。 前半はアンドレ・ワッツ独奏のブラームス:ピアノ協奏曲第2番。ワッツは近くでみるとそれほど背は高くないけど、巨体(というかグローブのような手)から 非常に繊細な音を出す。もちろん大きい音も出るんだけど、けっして力づくで弾かないところが素晴らしい、いくらでも余裕があるように感じた。特に3楽章は 素晴らしかった。 それと協奏曲が始まって早々、隣の横山さんの弦が切れてスペア楽器をリレーで受け取る。自分の楽器でもないのにドキッとするねえ、演奏しながら「いったい この状態で俺は何をするのがベストなんだろう、弾き続けるべきか否か」など数秒間に考えなきゃいけないし。だいたい演奏中に後ろを振り向いて、「スペ ア、スペア!」と相手が気付いてくれるまで口をパクパクしなきゃいけないなんて、非日常のこと。地下鉄車内で布団を敷いて寝るようなものだ。

6.14 昨日は、古河文学館サロンでAlberi String Quartetのスペシャル・コンサートだった。古河での演奏会は普段ベートーヴェンしかやっていないので、たまには違う曲もやってみたいという気持ちか ら、ハイドン:『皇帝』、ヤナーチェク:『クロイツェル・ソナタ』、そしてドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲の3曲を演奏した。ベートーヴェンではソナタや 弦楽トリオ、ピアノ・トリオもあるので、1つのプログラム全部を弾くことはあまりないのだが、今回はカルテット2曲にさらにピアノ五重奏、相当消耗した。 ハイドンはカルテットの基本でもあるので神経を使うし、ヤナーチェクは表現の幅もグッと広くなりハイドンとは違う意味で神経を使う。前半の2曲でグッタリ だ。後半のドヴォルザークは、音域が広いこともあってバランスよく響かせようと考えて練習してても、本番になるとついつい体力勝負になってしまう。狭いサ ロンの空間ではかなりキツイ音量だったんだろうなあとちょっと反省。演奏会自体はお客さんも沢山来て頂いたし、普段と違った雰囲気に概ね満足している。 終演後は上にあるレストランで打ち上げ、おっとその前に一人レッスンをしたんだっけ。ビールを飲みたいのをグッと我慢し、家に帰ってサン=サーンス:『オルガン付き』の練習をする。昔弾いたことをすっかり忘れている。こんなに難しい曲だったっけ。

6.10 長旅の疲れもやっととれた。今週は降り番なので、昨日昼間に今話題の酵素風呂に行ってみた。まず受付で入浴料を払うと酵素をグラスに一杯飲んでから帽子と パンツを渡され、それに着替える。浴槽はおが屑のようなものが敷き詰められたもので、係のおじさんが人が寝て入れる程の穴を掘ってくれる。その中に入る と、上からおが屑を掛けられ、首から先だけを出した状態で1520分、それから半身を出した状態で10分が初心者の一般的コースだそうだ。おが屑に埋ま るとかなり暑く、しばらくすると額からダラダラと汗が吹き出してくる。このおが屑の熱は酵素の自然発熱によるものだそうで、先程飲んだ酵素とおが屑からの ものとで、体内と体外の両方から酵素パワーを全身に行き渡らせて体を活性化するのが狙いだそうだ。それにしても顔中痒いけど手は埋まった状態なので、拷問 に近い。風呂やサウナだと自分の意思で出たり入ったりできるけど、これは一度出たら終わりだから効果が現れるまでじっと我慢。予定の時間を何とかこなし、 おが屑をブラシで落としてからシャワーを浴びて、風呂に入る。もう汗びっしょりなのでサッと入る程度で出てきた。風呂上がりの水がとても美味い。これはサ ウナ以上の効果があるかも・・・、おかげで肩凝りは嘘のようにスッキリした。皆さん是非一度お試し下さい。かなり効果あります。

6.7 昨日ツアー先の久慈から車で戻ってきた。朝9時過ぎに出発、途中2回ほど休憩を入れて家に4時過ぎに到着。さすがにドッと疲れが出て、今朝まで溶けるように寝た。 今回のツアーは原ノ町と1日開いて久慈だったが、どちらもとても気持ちの良いホールとお客さんたちで嬉しくなった。N響の場合、開演後の客電(客席の照 明)が比較的明るいので聴衆の表情がステージからでもよく見える。今回の両会場とも「楽しみにしてくれてたんだな」と伝わってくるお客さんの表情が、こち らの気持ちを高ぶらせてくれた。地方公演は数年に1回から、ともすると10年近くご無沙汰の場所もあり、1回1回が大切な本番になる。特に最近はチケット 代が高くなってきていて、気楽に聴きに来てもらえなくなっているのが現状だ。今回マズイ演奏をしてしまうと、「高い入場料を払ったのに・・・、次はもうや めておこう」と思われてはおしまいだ。オケ業界もなかなか厳しい状況になってきているだけに、いかにファンを減らさず増やしていくか、ついつい考えてしま う。

6.1 今日はオーチャード定期、クリヴィヌ指揮でフランクの交響曲、A.ヘフリガー独奏のシューマン:ピアノ協奏曲他のプログラムであった。シューマンの協奏曲 はかなり独創的、テンポの動きも目まぐるしく感じる。「閃き」の部分では面白いんだけど、もうちょっと歩み寄りたいなあなんて感じた。こっちは極力合わ せるように近づいてるつもりなんだが、たまに放ったらかしにされて行かれてしまう。それでもシューマンの底力なのか、弾いているとドンドン引き込まれてし まうのはさすがというかなんというか。 続いてフランクは、クリヴィヌらしい演奏だと思う。この指揮者、じっとしてないというか絶えず何かしたい人のようだ。落ち着きがないといってしまえば其 迄、しかしその仕草、ちょっとした一言などが結構笑えるし、見てて飽きない。フランス人の彼はフランクについて「本当のフランス音楽ではない、ドイツもの に似ている・・・」と練習中言っていた。その理由として「フランクはパリに住んでいるときに鶏を飼っていた。しかもパリの中心地に!」そんなようなことを 言っていたと思う。本当のフランス人はそんな野暮なことはしないと言いたかったのだろう。(俺の英語理解能力から適当に想像してみた) 終演後は久しぶりに居酒屋へ。日本酒のんで酔っ払い、家に帰って気がついたら明け方、サッカーの試合(イングランド戦)がテレビから流れていた。

5.30 もうかれこれ10年以上の付き合いとなる岩手大学管弦楽団のトレーナーとして、昨日今日と盛岡に行ってきた。7月に行われるサマーコンサートではチャイコ フスキーの『ロミオとジュリエット』をやるので、みっちりその難曲に時間を割いて練習した。アマオケの場合、木管楽器や金管楽器までまんべんなく出番を廻 すにはどうしても大曲中心、金管中心の選曲になってしまう。楽器をもってたった1~2年でこのような曲を弾かなければいけないのはある意味酷だが、みんな で決めた以上はやるしかない。音符が細い(楽譜の黒い)箇所になると、どうしても左手に意識が行き過ぎて右手のことがどこかに行ってしまうようだ。だけど 実際音を出すのは右手だし、右手の捌き具合によっては左手をカバーしてくれるので右手も練習して欲しいと強くお願いしてきた。今日の盛岡は気温26の異 常な暑さ。湿度も高く蒸し暑い。しかし東京に戻ってきたらさらに蒸し暑く疲れがドッと出た。何だこの暑さは!

5.28 今日はサラステ指揮で東京オペラシティにてリンドベルイの作品をまとめて3曲(チェロ協奏曲、クラリネット協奏曲、そしてオーケストラのための協奏曲) 奏した。練習中は複雑なリズムと響きに戸惑ってばっかりで良く解らなかったが、本番で通して弾いて見るとなるほど、それぞれに良さがあるし飽きることはな かった。現代曲を飽きさせずに聴かせる(弾かせる)ことはかなり大変だと思う。でもさすが世界に名をとどろかせているリンドベルイだけのことはある。特に 面白かったのはクラリネット協奏曲だ。超絶技巧のクラリネット・パートを吹ききったクリーックも凄い。ウチに彼のCDが1枚だけあり、それは超古典の作品 であるクルーセルのクラリネット四重奏曲(ちなみにヴァイオリンは指揮者のサカリ・オラモ)。かたや今日は現代作品とその懐の深さを思い知らされた。現代 曲も中にはいい曲もあると再認識した1日だった。

5.23 21日京都でのリサイタルも無事終わり、昨日帰ってきた。いろいろ反省点はあるものの、無事終ったことにホッとしている。体力は持たなかったが集中力は最 後まで持ったし、ミヨーが前回よりマシに弾けたことが何より嬉しい。それと13年ぶりに弾いたヤナーチェクも、楽しんで弾くことが出来た。となると、前半 のベートーヴェン、ブラームスがやはり難しい内容になってくるが、今後の楽しみが増えたということで良しとしよう。多数のご来場有難うございました。 昨日の夜新幹線で東京に戻り、停めておいた車に乗り換えて自宅に戻ったのだが、またもやガソリンがないことに気がつく。実は先日9日に自宅まで後一歩のと ころでガス欠になり、JAFを呼んだばかり。今回はそれを是非とも避けたいので、あまりエンジンを噴かさずにソロソロと走りながらスタンドを探す。最近、 深夜に開いているスタンドは一時期よりグッと減っているので、とにかく真っ先に開いているところで給油することを心に決め、上野辺りでやっと見つけること が出来た。最低限走るだけの量を入れれば良かったのに、つい癖で『ハイオク、満タン!』と言ってしまい、あとでがく然とする。 なんと1literあたり144円!1liter120円でも高いくらいなのに、いくら都内だから、深夜だからと言ってこの値段はないだろう。それとも この値段、都内じゃ当たり前なのだろうか?あまりのショックに、深夜のラーメン屋にフラフラと立ち寄ってしまった。

5.17 なんて蒸し暑い日だ。朝は靄がかって薄ら寒かったのに、昼にはまとわりつくような湿度と暑さになってしまった。そんな中サラステ指揮の定期の練習があっ た。曲はチャイコの4番とストラヴィンスキー:カプリッチョ他。一週間ぶりのN響は新鮮だ。休みの間も結構練習できたので体調も良い。いくらオケが好きで も、連日のように弾いているとマンネリとなってくる。月に1つ降り番があるだけで、休み明けに新たな気持ちでまた演奏に取り組むことができるのだ。 そのサラステのチャイコフスキーは、クールな中にも熱い音楽を持っている彼にとってとてもマッチしているように思う。ポーカーフェイスで振っているけど、 ところどころ気持ちが勝っているようだ。アプローチは普段聞きなれない部分もあるけど、それはそれで興味深いしなるほど!と納得させられる部分もある。い つもの癖で弾いてしまう箇所を直されたりして、出来てない部分を再認識させられた。明日もう1日練習で明後日からサントリーで定期演奏会。今回も楽しみで ある。

5.13 今週はN響が降り番、来週京都でリサイタルがあるので今のうちに練習しておかないといけないので、ほとんど外にも出ずに家で過ごしている。ウチの奥さんは 広島に出張中なので、マイペースで生活。夜9時頃まで練習してから近所のスーパーに買い物に行くのが日課になっている。閉店間際のスーパーはいろいろお得 なものが多い。夕方買うのも閉店間際に買うのも、どうせ食べるのは練習後なので、いろいろ物色しながら本日の肴を決めるのも楽しみの一つだ。今日もいつも のようにつまみを買いだしたあと、ウチでビール片手にテレビを見る。今日木曜日は午後9時から「どっちの料理ショー」と「とんねるずの食わず嫌い王選手 権」の二つが重なる。腹が減っているときに、この二つの番組を見るのは拷問に近い。個人的には「どっち」を見ていたいけど、「食わず嫌い」も結果は知 りたいのでいつもチャンネルを変えつつ、あるときは最終結果を見そびれて悔しい思いをするのだが、今日は野球中継が伸びたおかげで「どっち」をじっくり 見ることが出来て嬉しい。俺の判定は串揚げだったんだがなぁ。番組が終る頃にはお腹一杯、酒も一人だと廻りが早い。明日はピアノ合わせだ。先日のサロン・ コンサートで出た反省点をいろいろ試してみるつもり。そして練習後は居酒屋に行くつもり。

5.9 今日は東大宮のアリイ・ガーデンホールでLibera! Chamber Music Series2004のサロン・コンサートだった。今年1月に同所で同じ演奏会を行った際は大盛況満員だったため、今回は2回に分けてステージを組んでみ た。この雨模様のなか、各回とも大入り!チケットの売れ行きから、今回はガラガラかな・・・と心配してただけに非常に嬉しかった。多数のご来場、誠にあり がとうございました。 弾いている側の感想・・・、やはりモーツァルトは難しい!特に今回演奏したDuo第2番は、左手の負担が多く実際人前で演奏するとその重さがひしひしと伝 わってくる。ベートーヴェンもブラームスも同様左手はきついけど、モーツァルトのこの作品は格別だった。それに加えて、ヴァイオリンとヴィオラだけのシン プルな作りがさらに緊張感を増す。2回弾いても満足できなかった。この曲はもっと弾きこなしていきたい。 終演後は共演した與口と華ちゃん、同級生で聴きに来てくれたK野とS木らとともに打ち上げ。高校からの同級生が集まったことで、好き勝手に言いたいことを 言って盛り上がった。途中「ピアノの横山に電話してみよ~!」と、電話をかけたらたまたま繋がり、みんなで廻しtelをして旧交を温めた。明日からはしば らくオフ。じっくりリサイタルに向けて練習します。

5.8 今日はサラステ指揮でブルックナー5番の定期演奏会だった。サラステは練習中もあまり無駄口をたたかない。最低限の要求だけで進めていくのは、ある意味職 人って感じがする。でも本当はすごく音楽性が豊かで、熱いものを持っているのじゃないかと感じさせる。こちらの出方次第によってはいくらでも受け止めてく れそうな大きさも感じるし、弾いててとても楽しい。ただ、指揮者にしては珍しいシャイな性格のようで、ニコニコしていない。その分、たまに笑顔が見えると ホッとするのだが・・・。彼はGPの時に全く余分な動きをしない。シーンと静まり返る。その静けさにフィンランドの空気をちょっと感じたのは俺だけか。今 回、ブルックナーの5番という難解な曲で、我々の演奏がどうこうと個人的には評価できないが、サラステはとても素晴らしい指揮者だと思った。
ホントに壊れたマックを直すために、連日深夜まで格闘中。昨夜は3回もHDを初期化した。とりあえず 最低限のインターネット、メール、プリントができるようになり、一安心。まだサイトのアップロードはいまいちうまくいかない。ファイルを転送するたびに、 サーバとの接続が切断されてしまうので不便この上ない。この解決法、ご存知の方がいらしたら是非教えて下さい。

5.3 先月末、突然コンピュータが壊れてしまい、ここ数日HDを初期化したり新たにソフトをインストールし直したりしているうちに更新が途絶えてしまった。コンピュータはなんとか現状維持で使えるが、そろそろOSMac OS9.2を使用中)を 新しくしようかと、噂のOS.Xを買いに行った。家に帰って早速インストールしようとしたら、全く動かない。サポートセンターに問い合わせたら、ソフト自 体が壊れてる可能性もあるので交換してくれるとのこと。ただGW真っ最中ということもあり、1~2週間待たねばならないそうだが、別に急ぎはしないので交 換してもらうことにした。 1日は今月9日に行うLibera! Chamber Music Series2004「たっぷりドイツ!」の合わせ。その日はシューマン:「おとぎ話」中心のリハーサルだった。共演ピアニストは国府華子ちゃん。彼女と は高校からの同級生で、この曲も以前一緒に弾いたことがある。久しぶりに合わせをしたけど、長年の付き合いというのは何事にも勝る。お互いなにをしたいか も良く解るし、打ち合わせも一言二言で次にはほぼクリアーできてしまうのだ。予定よりもアッサリとリハーサルが終ってしまい、みんなで食事をしてから帰っ た。行ったお店は与野駅前のレストラン「ロンド」。リーズナブルで美味しい洋食が食べられるので贔屓にしている。