過去のBlog 2008年6月
◆6月26日《2008年シーズン終了》
25、26日とM.ザネッティ指揮「ツァラトゥストラ」やR.シュトラウスの歌曲、モーツァルトの歌曲などをサントリーホールで、今シーズン最後の定期演奏会でした。R.シュトラウスの歌曲は美しいものが多いのに、あまりやる機会はありません。「4つの最後の歌」のように熟成された味わいのものもあれば、わりと初期の爽やかな、それでいて十分色気のあるものと、どちらも捨て難い魅力があります。和声の変化を楽しんでいると、僕はどうしてもムジークフェラインの中を思い出してしまいます。特に夕方の、外光が弱まってきて金と混ざりあった時の微妙な感じ…それでいて、けっして淡いわけではなくしっとりとした何かがいつまでも残る充実感…。
◆6月4日《SQのA380》
成田空港でシンガポール航空の新型A380、遠近法が間違っているような気がするくらいでかい。
◆6月1日《マレーシア・フィル演奏会》
シンガポール交響楽団を聴いた翌日、クアラルンプールに飛びマレーシア・フィルを聴いた。会場はツインタワー内のホール、N響もこのホールができて割とすぐに演奏したことがある。マレーシア・フィルはペトロナスという石油会社がオーナーの若いオーケストラで、世界中からメンバーが集まってきている。日本人も数人いる。逆に地元のマレー人は現在いないとか。今回はハイドンの太鼓連打とマーラーの10番全曲(クック版)をフィンランドの若手指揮者H.Lintuが指揮をした。
まさかマーラーを全曲やるとは…
しかもハイドンのあとに。
太鼓連打は充分30分はかかる。いきなりティンパニの派手なカデンツァで始まった。 バロック風の小型のティンパニを使用、 ここは首席ティンパニ奏者が黒人で、リズムが身体から溢れ出ている。全身バネのような肉体からシャープに振り下ろされるバチ捌きは、見ているだけで楽しい。Lintuは全体的にアグレッシヴな表現、全身を大きく使ってオケを引っ張っていた。
後半のマーラーも同様、動きは大きい。(クック版を全曲通して聴くのは実は初めてだったので細かいところは判らないけど)、第2楽章の難しそうな変拍子なんかはもう少し判りやすく振ってあげたほうが…なんて思ったりもしたのだが、多少崩れようとお構いなしで振り進んで行く。scherzo楽章のTrio部はもう少しゆったりしたほうが好みかな。第5楽章のフルートのソロ、ブラボー!トランペット&ホルンの綱渡りのようなソロもブラボー! 1時間半近く聴いてきてやっと味わえる 終結部の柔らかな色合い、美しかった。
もう少し指揮が…なんて思いながら、終演後メンバー数人とホール隣のパブで打ち上げ。今日の指揮はどうだった?の問いに
「彼は素晴らしい!音楽が停滞しないし、次から次へとニュアンスを見せてくれる。かといって先に進みすぎるわけでもなく、こちらの演奏に耳を傾ける余裕もあるし、お互いいい演奏ができたと思う…」
こんなもんです。彼らは数日間も一緒に音楽を作り上げてきた、彼らしかわからない世界は、 たった1回の演奏を聴いただけであ〜だこ〜だ批評なんてできません。しかも後ろから見ているだけでねぇ。ちょっと反省しました。
25、26日とM.ザネッティ指揮「ツァラトゥストラ」やR.シュトラウスの歌曲、モーツァルトの歌曲などをサントリーホールで、今シーズン最後の定期演奏会でした。R.シュトラウスの歌曲は美しいものが多いのに、あまりやる機会はありません。「4つの最後の歌」のように熟成された味わいのものもあれば、わりと初期の爽やかな、それでいて十分色気のあるものと、どちらも捨て難い魅力があります。和声の変化を楽しんでいると、僕はどうしてもムジークフェラインの中を思い出してしまいます。特に夕方の、外光が弱まってきて金と混ざりあった時の微妙な感じ…それでいて、けっして淡いわけではなくしっとりとした何かがいつまでも残る充実感…。
◆6月4日《SQのA380》
成田空港でシンガポール航空の新型A380、遠近法が間違っているような気がするくらいでかい。
◆6月1日《マレーシア・フィル演奏会》
シンガポール交響楽団を聴いた翌日、クアラルンプールに飛びマレーシア・フィルを聴いた。会場はツインタワー内のホール、N響もこのホールができて割とすぐに演奏したことがある。マレーシア・フィルはペトロナスという石油会社がオーナーの若いオーケストラで、世界中からメンバーが集まってきている。日本人も数人いる。逆に地元のマレー人は現在いないとか。今回はハイドンの太鼓連打とマーラーの10番全曲(クック版)をフィンランドの若手指揮者H.Lintuが指揮をした。
まさかマーラーを全曲やるとは…
しかもハイドンのあとに。
太鼓連打は充分30分はかかる。いきなりティンパニの派手なカデンツァで始まった。 バロック風の小型のティンパニを使用、 ここは首席ティンパニ奏者が黒人で、リズムが身体から溢れ出ている。全身バネのような肉体からシャープに振り下ろされるバチ捌きは、見ているだけで楽しい。Lintuは全体的にアグレッシヴな表現、全身を大きく使ってオケを引っ張っていた。
後半のマーラーも同様、動きは大きい。(クック版を全曲通して聴くのは実は初めてだったので細かいところは判らないけど)、第2楽章の難しそうな変拍子なんかはもう少し判りやすく振ってあげたほうが…なんて思ったりもしたのだが、多少崩れようとお構いなしで振り進んで行く。scherzo楽章のTrio部はもう少しゆったりしたほうが好みかな。第5楽章のフルートのソロ、ブラボー!トランペット&ホルンの綱渡りのようなソロもブラボー! 1時間半近く聴いてきてやっと味わえる 終結部の柔らかな色合い、美しかった。
もう少し指揮が…なんて思いながら、終演後メンバー数人とホール隣のパブで打ち上げ。今日の指揮はどうだった?の問いに
「彼は素晴らしい!音楽が停滞しないし、次から次へとニュアンスを見せてくれる。かといって先に進みすぎるわけでもなく、こちらの演奏に耳を傾ける余裕もあるし、お互いいい演奏ができたと思う…」
こんなもんです。彼らは数日間も一緒に音楽を作り上げてきた、彼らしかわからない世界は、 たった1回の演奏を聴いただけであ〜だこ〜だ批評なんてできません。しかも後ろから見ているだけでねぇ。ちょっと反省しました。