2002年10月〜12月のウィーン日記
2002年10月27日カテゴリ:ウィーン留学日記
10.30 昨日はコンツェルトハウスでイヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管の演奏会を聴く。曲はゴルトマルクの序曲とフバーイのヴァイオリン協奏 曲#3(Lendvai),チャイコフスキーの交響曲4番だ。前半の2曲は曲がつまらないのか、良く解らない。ソリストは凄いテクニックだったけど、やっ ぱり曲がつまらないと思った。残念、ほかの曲を聴いてみたい。まだ28歳くらいなのに、巨匠の風格を漂わせた人だった。チャイコフスキーはつい先日、 ウィーン・フィルで聴いたばっかり。オケのスタイルが違うとこうも違って聞こえるのかと痛感。ブダペストは何から何までハンガリー風、音を短くハッキリ弾 かせたり、独特のアクセントで強調したり。盛り上がり方も熱気を帯びてくるのが良く解る。でも本領発揮したのはアンコール。ハンガリー舞曲とルーマニア民 族舞曲は最高だった。あれだけ聴けただけでもラッキー。イヴァン・フィッシャーは何度かN響にも客演している。特に初共演のブラームスが僕にとっては1番 の思い出。あれほど、鳥肌がたったブラームスは初めてだった。それに入団したその日の演奏会だったしね。その後、エネスコや、マーラーの9番、ドヴォル ザークの7番とかいろいろ楽しかったな。今度はいつ来てくれるんだろう?また来て欲しい。 昨日もビールで程よく酔っぱらって布団に潜り込んだのに、4時過ぎに床下の音で目が覚める。以前より音が大きくなっている。このままだといつか床に穴が空きそうな勢いでかじっている。そのままいっこうに眠れず6時半頃、うっすら夜が明けだしたころに一眠りする。 もうかんべんならん、引っ越しを決意した。現在家捜し中・・・。 10.28 一昨日のねずみ騒動で劇的なサマータイムの終わりも見れずじまい、昨日は余った段ボールやセロテープ、カーペットを掃除するローラーのテープなど、とにか くあるものだけでキッチン下の穴を塞ぐ。これで駄目だったら引っ越しも考えなきゃ。またガムテープで簡易ねずみ取りも製作、設置完了。何も出ないに越した ことはないが、捕まるのも恨みがあるだけに嬉しい。何しろ、昨晩はちょっとした物音でも「ビクッ」とし、床下からカリカリ音が聞こえると目を覚まし、毛布 が顔に触っただけで「ねずみか!」と飛び起きる始末。ほんとノイローゼの入り口だ。もちろん夢にも出てくるので、朝起きて無事だったことを確認してから安 心して眠る。こんな生活を残り10ヶ月も続けると、ホント痩せちゃう。 今日は寒くかった。まだまだ序の口なんだろうけど、「お~、冬じゃ~」と感激してしまった。週明けだし、食料も底を突いてきたので買い 物に出た。パンにソーセージ、ヨーグルトやビール、小さなカーペット、テーブルタップなどを買い込んだ。スーパーのレジで何か言われても、何となく解るよ うになってきたのが嬉しい。お会計とかね。 サマータイムが終わると、ほんと暗くなるのが早い。 10.26 更新を4日も空けてしまった。24日はウィーン・アルティスQのモーツァルトやシューマン#1を聴き、「お~、今までで1番好きかも」って感動した翌日、 25日はコンツェルトハウスでハーゲンQのバッハ、バルトーク#4、ベートーヴェン#1では「なんじゃ、この驚異的な精密度は!」と驚き、改めてハーゲン の恐ろしさを知る。あまりに精密なので、バルトークは初めて聴いたけど、いろいろよく解ってとっても楽しいし、途中どこでどうなったか分解してしまった瞬 間が解ってしまうから恐ろしい。もう一度聴いてみたいカルテットだ。 今日はコンセルトヘボウを聴いてきた。シャイー指揮でストラヴィンスキーとベートーヴェンの7番。ホルンは2人だけど、それだけで威力十分!!弦も厚い響 きがしていた。管楽器は見たところ割と年代の高い人が揃ってるように見えたけど、みんな職人って感じで決めるところは決めるし、無駄がなくちゃんと仕事し てるって感じ。素晴らしいオケだ。 これを書いているとき、台所からガサガサ音がするので覗いてみたら、小さなネズミが出現。ウィーンはネズミいないって聞いてたのに・・・。ショック。 10.22 夜8時頃、インターネットが突然接続不能になって焦った。何度やっても認証に失敗する。今までと設定は何一つ変えていないので、きっとサーバのトラブルだ ろうと思い、2時間ぐらいしてからやったら成功した。最悪の場合は国際電話でインターネットかとも考えたけど、そうならずによかった。だけど、それ以来パ ソコンが突然ダイヤルを始めたり、設定以外のアクセス・ナンバーにかけたりするようになった。なんでや。訳が解らん。だれか知らないが、ウィーン人のお宅 にかかってしまった。 さて、ついに一月が経った。なにも祝杯は上げてない。夕飯も昨日の残りカレーだ。語学学校から戻ってきたら17:30過ぎ、「ちょうど一月前、この部屋に 入ったころかな」と思うと感慨深かった。「あの日はカーテンも何もなくて、とっても寒くて震えてたな。翌日布団とカーテン買ってきて、カーテンはホッチキ スで止めたっけ・・・」たった一月だけどいろいろ思い出す。 10.21 日本を離れてまもなくちょうど一月が経つ。早いか。最初はこれから先どうなるのかと思ったけど、何とかなりそうな気がしてきた。今日は、ナッシュマルクト に寄って、先日教わった親子丼を作ろうと日本酒を仕入れるはずが、そばにあった「ゴールデンカレー」の箱に手が伸びてしまい、ニンジンも買って夕飯はカ レーになってしまった。材料は全て揃っている。親子丼用の鳥もも肉、元は一体どんなに大きい鶏?ってくらいもも肉のくせにやたらデカイ。日本の鶏の3倍く らいあるんじゃないか。600gで2Euroちょっと。大丈夫か?タマネギを2個、ニンジン、じゃがいも、ズッキーニも入れて、かくし味は作り置きのニン ニク醤油。これは便利。ちょっと塩辛かったので牛乳を入れる。それでもまだ塩辛い。たまたま飲んでいたフルーツジュースの残りをチョロッと入れてみたらう まくいった。カレーを食べるのはいつ以来だろう。なんとも幸せな夕食だった。でも、ラッキョウがあれば最高なんだが・・・。 あ、先日のウィーン・フィル、ベートーヴェンの序曲「献堂式」は素晴らしかった。ずーと鳥肌状態。でもチャイコは期待しすぎたのか意外と普通だったな。ゲ ルギエフは直球勝負でオケを煽るんだけど、いまいちフル・パワーとはならなかった。オケも応えてたのは十分伝わってきたし。場所のせいもあるだろう。 10.18 今日はこっちに来て初めてピアノの先生のレッスンを受けた(もちろんヴァイオリンを弾いてだが)。曲はモーツァルトの5番。大学3年の時に試験で弾いて以 来のこの曲は、A-Durということもあって音域が高く非常に弾きにくい。少ない練習でレッスンに行ったらボロが出まくり。今までの悪いと思いながら見逃 してた癖を直さないといけない。改めてモーツァルトの難しさを感じる。1楽章で終わりかと思ったら3日後に2・3楽章を持ってくるようにと言われ慌てる。 今まで一度も弾いたことないので帰ってすぐさらいだした。こういうことも普段は無いので楽しい。ピアノの先生曰く「5曲全部やるといい」そうなので、うま く行けば譜読みくらいは全曲できそうだ。 そのレッスンの後、学生部に行って先日の試験結果を聞く。あれほどボロクソに言われていた(様な気がした)楽典は合格、ドイツ語は案の定不合格とでてたけ ど最終判定は合格。(もしかして試験官は、ワザと険しい顔をしながら俺のことを褒めて、ホントにドイツ語を理解しているか試していたのだろうか?)とにか くめでたい。学生証をもらったので間違いないと思う。なんかバタバタしているうちにというか、どさくさに紛れていつの間にか学生になってしまった。 |