2003年1月〜3月のウィーン日記









3.31
昨日今日とハンガリー(ブダペスト)に旅行に行ってきた。ウィーンから列車で3時間。あっという間だ。途中車内で、オーストリアとハンガリーのパスポー ト・コントロールが続けて来て、陸続きの異国を感じる。簡単なチェックとハンコを捺してもらい、国境を越えた。ブダペストはもちろん初めて訪れる地、とい うか、東ヨーロッパ自体が初めてだ。なんとなく怖いイメージがあったが、ホテルも快適だし街も観光客慣れしている。ブダペスト留学中のYさんの案内もあ り、何も不自由しなかった。ハンガリーは食べ物が美味い。初日はまず昼ご飯に、「春のフェスティバル」屋台でソーセージとグーラシュ、ビール等を食べる。 そうとうお腹一杯に食べて約500円だし、そうとうお得。その後、ドナウ川を渡り、漁夫の砦に登ったり、洞窟に入ったり、リスト音楽院を覗いたりして、夕 食後はメインの夜景。シンプルだけどなかなか見ごたえのあるもので、しばしぼう然と眺めていた。
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今日はイシュトバン教会から目抜き通りを通って、市場までブラブラ買い物。市場ではフォアグラのペーストやハンガリー名物パプリカ等を買い込んだ。あとフ ルーツ・スープの素。甘く冷たくてデザートのようなスープだが食前に飲むやつ。昨日の夕食ではサクランボのスープ(サクランボの実がゴロゴロ入っていた) を初めて食べたがとっても美味しかったので、大量に買い込む。冷たい牛乳と混ぜるだけで出来るみたいなので、そのうち再現してみようと思っている。 夕方に一番大きいといわれている楽譜屋さんに立ち寄り、ハンガリーの出版物を見せてもらった。オバサンがAからZまで順番に見せてくれるなんて、なんて親 切なんだろう。バルトークやヤナーチェクなどが日本で買うよりずっと安く手に入るので、これまた買い込んでしまった。帰り際に何気なく手に取ったドヴォル ザークのCDを見たら、F.P.ツィンマーマン独奏の協奏曲を発見!日本で出回っているのはEMIの物だが、これはとってもマイナーなレーベル、オケはヤ ナーチェク・フィルでライヴ録音だった。いつの録音かも分からない代物だが、マニアとしてはツィンマーマンの恥ずかしい過去を知ったような気がして嬉しく なる。これで約300円。当然買いました。

3.25 今日はまたしてもムジークフェラインでメータ指揮のウィーン・フィルを聴いた。一昨日と違って、ニコライ:「ウィーンザーの陽気な女房たち」序曲、ハイド ン:協奏交響曲、マーラー:「巨人」といったプログラム。今回は立ち見券しか手に入らず、開場10分前に行ったらもう既に20人くらいが並んでいた。案の 定、一列目の一番よく見える場所は駄目で、2列目のほぼ真ん中を陣取る。今回はウィーン・フィル、しかもムジークフェライン主催のコンサートなので人気が 高く、立ち見は身動きできないくらいの盛況ぶり。そんな中、初っぱなの「ウィーンザー」からド肝を抜かれた。全てがウィーン風、音色、ニュアンス、ポルタ メントのかけ方まで、ハマリまくり。艶っぽくて、洒落ててなんて言葉にするのはバカらしい。で、メインの「巨人」は、メータもオケもすっかり手の内に 入っている感じだ。無駄のない指示に、最大限で応えていくオケは気持ちいい。先日の「英雄」の印象とはまるっきり反対。あっという間の1時間だった。 立ち席の連中は、マニアックな聴衆が多くスコア持参はかわいいほう。ヴィデオ片手にMDで録音してたり(本当は禁止されている)、ちょっと管楽器がヘコっ たりするとその都度首を傾げたりして、なかなかシビアな世界を展開させている。そして、今日一つ残念だったのが、前半が終わり休憩に入ってしばらくしてか ら現地人(ドイツ語をしゃべる人達)が確保して離れていった場所を、日本人数人(高校生と引率の大人)が横取りしてしまったこと。隣だったこともあり最初 はただホールをのぞきに来ただけかと思っていたのだが、先住人達が戻ってきてドイツ語で「ここは我々の場所なんだけど」と言っても、無視する。知らない (解らない)んだったらと僕が、「このStehpratzはみんな場所とりをして、演奏を聴いているので云々」と教えたのに、それも無視。結局後半はそ こで聴き続けてしまった。おそらく観光でウィーンに来てたまたま演奏会に来たんだから、知らないことがあっても当然。ただ、その土地それぞれにはルールが あるし、地元民だろうと観光客だろうとルールはルールだろう。そして、彼らを連れてきたツアーの人、もしくは引率者はチケットを手配するだけでなく、その 辺のルールを教えるべきじゃないか。で、知らないことを教えてもらったときに、何故無視するのか。何かしら反応するべきじゃないか、と思う。無視すれば済 まされる、そんな彼らの態度に非常に腹立たしく、日本人として情けないとも思った。

3.23 昨日22日はコンツェルトハウスでモザイクQuartettを聴く。曲はハイドン2曲とベートーヴェンの12番。これが素晴らしかった。一言で言うなら、 最初から最後まで微妙なニュアンスが絶え間なく繋がっていくような演奏。ハイドンは2曲とも知らない曲だったけど、一音目から惹きつけられて最後まで一気 に聴いた。ファーストVn.E線も生ガットを使っているのだろうか?、聞きなれた金属製の音ではなく、マイルドな響き。生ガットは発音するのにとっても 技術がいるし、鳴らし方も難しいのに、全体のバランスは文句無しだった。そしてチェロの息の長い延ばしの音とか、物静かだけど存在感の強さ。同じでもハー ゲンQ.とは対極の凄さがある。とにかく去年同じQuartettを聴いたときとはまるっきり違う団体のようだった。 そして今朝、早起きをした。というのも、ウィーン・フィルの定期が11時からあるから。もちろんチケットは持っていない。が、せっかくだからホールの前ま で行って、「チケット求む!」ってやってみる。始めて1分も経たずして、チケットをゲット。意外と簡単だな。今日のプログラムはシューベルト:5番、ハイ ドン:トランペット協奏曲、そして「Eroica」。ウィーン・フィルを聴くなら最高のプログラムでしょう。買った席は1階2列目のド真ん中で、メータのお尻を見ながら鑑賞だ。コンマスはヒンク氏。間近でウィーン・フィルの弾きぶりを見られたのは良かったんだが、生音は良く聞こえるのに全体的な響きが良くわからない。で、何だか良くわからないうちに終わってしまった。まぁ、こういう日もある。 夜はウィーン響、今日だけで2回もムジークフェライン詣。曲はサヴァリッシュ指揮のドヴォルザーク:「スターバト・マーテル」。弾いたことはないがどこか で聴いた記憶がある。全体的にゆったりしたテンポであまり起伏はない約1時間半が、あっという間の演奏会だった。サヴァリッシュの音楽作りって、その曲の マキシマムとミニマムがはっきりしていて、そこに向って息の長い音楽が繋がっていくので、ついつい惹きつけられてしまうし聴き終わったときにはとっても充 実した気分になる。今日もまさにそれ。あんなに地味な曲でこれだけ楽しめるなんてさすが(N響の桂冠名誉指揮者)だね。

3.21 3月20日は何を隠そう、誕生日だったのだ。で、その話をCIAさんにしたら、「是非パーティをやろう、もちろん、ウィーン式で」ということになった。「ウィーン式って何?」、なんてことはない俺自身がみんなをもてなすことらしい。そんな事なので昨日は、朝から買い物や料理の仕込みで大忙し。夜8時過ぎから続々と集まりだし、6人で宴会となった。作ったものは、以前ウィーンで何人かに披露して好評だったものから主に3品。ポーチド・エッグのサーモン巻き(加藤完二御推薦)に、牛肉を3日間煮込んだスープに野菜をいろいろ入れたトマトとパプリカ煮込、そして定番の豆腐ステーキだ。これ以外にもCIAさん作のサクサク・サラダとデザートが付いて、かなり豪華(だったよねえ?)。
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(これが手作りケーキです)
始まりも遅かったのだが、なんか妙に盛り上り、いろんな話(大半は酔っぱらって忘れているような気がする)が飛び出して結局お開きになったのは明け方5 時。みんな若いねえ。翌朝はみんな学校があるってのに、最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。とっても思い出に残る一日でした。 今朝は9時半頃に起床、心地よい二日酔い。今日はさすがに休肝日にしました。
それにしても世の中物騒ですな。3月20日は地下鉄サリン事件が起こっただけでなく、戦争まで始まっ てしまった。日本にいるときはわからなかったが、ウィーンではイラク同情論がかなりの割合を占めているようだ。ところ変われば考え方も違う。いろんな考 え、理想があるのは当たり前のことなのに、どうも一つにしたい人がいるようだ。

3.19
16日のバイエルン放送響(マゼール指揮)でブラームスの2番、「海」、「バラ騎士」組曲を聴き、「ウィーンにいるならR.シュトラウスも勉強したい」と 思い、翌日のレッスンで早速、「次回はリヒャルトのソナタ!」と宣言してしまった。クリスティアンの十八番らしいので、きっと次回のレッスンはボロ雑巾の ようにグッタリするくらい密度の濃いものになるだろう。まぁ、楽しみでもあるのだが。 で、昨日は小澤指揮「コシ・ファン」に行く。「コシ・ファン」は学生の時に弾いたのが懐かしい。たった6人しかいない登場人物だが、いろんなキャラクター に扮してそれぞれが役わりを果たすのでとっても楽しいオペラだ。1幕は全体的に重く感じたが、2幕は面白かった。オケも歌い手も徐々にエンジンがかかって きたのかもしれない。モーツァルトの音楽って、なんであそこまで簡潔に表現できるんだろう。「やっぱりモーツァルトだよね」と、感動して帰った。 そして今日は再びOperで「バラの騎士」を見る。昨日と違ってやたらと登場人物が多いし、(3管編成の14型)オケの音も厚い。先日のバイエルン放送響 と違う重心の響きがして、「お~、ウィーン!」と音楽に浸ろうとしたら、同じ列に座っていたフランス語を話す学生集団に邪魔される。とにかくうるさい。静 かな場面でも突然立ち上がって、イスの座面をバタバタさせるし、退屈してくるとずーと周りと喋っている。前列のオバサンが後ろを振り返っていてもお構いな し。1幕の間中気になって集中できなかったが、大抵こういう客は2幕になると居なくなることが多いのでそれを期待しつつ2幕が始まるのを待った。しかし開 演ギリギリに戻ってきてまたいろいろ話しだすのでこっちが場所を変えようかなと思ってたところ、その一行自ら場所移動をしてくれてその後は静かに音楽に浸 る事が出来た。特に、あらすじを読んでいるだけでも感動する終曲の場面など、あれは泣くね。あそこを聴けただけでも大満足。なんとも大人の振るまい、そし て音楽。オケも、「何でそこまで盛り上がれるの?」って訊きたいほどの素晴らしさ。やっぱりウィーンでは、リヒャルトを聴くべし。 ソナタを勉強できるのがますます楽しみになってきた。

3.15 昨日はCIAさんの引っ越しを手伝ったので、新居での引っ越しパーティに呼ばれた。午後8時開始だから、5分前には(オケマンの習性です)目的地付近に到 着。確かこの辺の建物と探したがどれも似たような建物で確信が持てないので、CIAさんの携帯にに電話したところ、呼出するものの留守電になるのでメッ セージを残した。きっと遅れてきた知人に会うだろうと、その辺をぶらぶらしていたけど誰にも会わないし、その後も携帯にかけ続けても連絡取れず。そうこう するうちに30分が経ちもう我慢ならないので、一番臭う建物の前で待機し、人が出てきたついでに中に入る。果たして目当ての建物で、無事CIAさん宅に着 くことが出来た。着くなり「携帯に散々かけたんだけど」などと小言を言い、それからことあるごとに「そのネタ」で楽しませてもらいました。ちなみにその 日のメニューはカレーとハンバーグ。なんともタマラナイ献立です。圧力鍋で下ごしらえしたカレーは、お肉が柔らかくて最高でした。7~8人で盛り上り、最 後は初の深夜バスに乗って帰宅。楽しい一時でした。

3.12 今日はウィーン響の演奏会、サヴァリッシュが振った。曲はマニアックで、ウェーバーの交響曲(ウェーバーのくせしてクラリネットが入っていない交響曲)、 ピアノとオケのためのコンツェルト・シュトゥック、シューマンの同じくコンツェルト・シュトゥック、そしてヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変 容。座った席がポディウム1列目、目の前はコントラバスでその前にはホルン。ヒンデミットはホルンの強烈な音にほとんどかき消されていたし、ちょうどコン バスの譜面台で指揮者も見えない。ま、見えないほうがリラックスして聴けたのだが。サヴァリッシュが見えるとついつい緊張してしまうのは、悲しい性か。そ の代わり良く見えたのが、コンサート・マスターの表情。とっても楽しそうな表情で弾いているので、見ていても嬉しくなった。コントラバスにへばり付くよう な場所で聴いた割りには、人間の耳は高性能で、徐々に響きに慣れてくる。ウィーン響は相変わらず上手い。やっぱり正面で聴いたほうが良かったかな? 9日はOperで「セビリアの理髪師」を見に行った。面白いねえ、吉本かと思ったくら い、ギャグがちりばめてあった。ルイージのスピード感溢れる序曲の後は、狭いステージを有効に使って、コミカルに展開してゆく。レシタティーボで自由自在 に歌と絡み合ってくチェンバロは、凄い。レシタティーボがかなり長いので、オケ奏者も舞台を見ながらゲラゲラ笑っていた。今回はピットのほぼ真上から覗い ていたので、オケ奏者の表情が良く判って面白かった。あと、ロッシーニのあまり速くないキザミを、ほとんどBatuttaで弾いていたのは新たな発見か も。オケの編成は10型。コンバスは4本。オーボエの2番はもしかして序曲だけで終わりなのだろうか?あっという間に帰っていった。 これまでワーグナーばかり見てきたので、イタリア・オペラの展開の速さは飽きないし、もっと見たい!と思う辺りで終わるのでちょうどいい。ロッシーニも捨てがたい魅力があった。

3.10 今日はウィーン響のリハーサルに行く前に予定通りヴィザの更新に向う。書類を出したら「クランクシャインがない」と言われ、呆気なく帰される。「クランク シャインってなんだ?健康診断書のことか?」と判らないまま帰宅、辞書を引く前にウィーン響のリハにいけなくなったことを連絡しようと中島リリコちゃん (彼女の旦那はウィーン響のホルン奏者)に電話して事情を説明したら、クランクシャインとは保険のことだと教えてくれ、書類が揃っているのならもう一度行 くときに一緒に付いてきてくれるというではないか!こんなにありがたいことはないので是非お願いし、もう一度午後に出直すことにした。 40分ほど並んで改めて書類を提出、今度はうまくいきそうかなと思ったが、今度は「健康診断書と無犯罪証明書」だと。その2つは日本でヴィザ取得時に既に 日本のオーストリア大使館に出していると、すかさずリリコちゃん通訳する。向こうの言い分は、コンピュータにはデータが登録されていないので必要だと。そ んなの、向こうのミスでしょうが!こっちは日本でしかるべき手続きを踏んで、あんたんとこの大使館で発行されたヴィザをもって入国してんだからそっちで調 べるなりして欲しいよ。しかも僕は日本に帰ることが出来ないんだから・・・・等を、もっと普通に、リリコちゃんが全部通訳してくれた。そうすると向こうも 多少譲歩してくれて、「健康診断書は後でもってこい」と言われたけどとりあえず手続きは済んだ。こういった事務手続きは、言葉の壁がいくつもの障害を生 む。今回はリリコちゃんという強力な通訳がいたからとても助かったが、彼女がいなかったら何度も何度も足を運んでは担当者によって言うことが違い、更新が 出来なくなっていたかもしれない。実際今日で通算5回、足を運んだ。後は無事、発行されることを祈るのみだ。発行さ○○場合、×法滞在ピーー___。

3.9 Klassenabendが終わってから4日が経った。完全に腑抜け状態の4日間だった。やっと昨日になって楽器を触り、今日は買い置きしてあった室内楽 やらの楽譜をめくっては難しそうなところを弾いてみて、「やっぱり、難しいや」と次のページをめくるという怠惰な一日だった。 人間、目標を失うとこうもダラけるとは。ま、明日から気持ちを新たに引き締めて生活しよう。幸い演奏会が立て続けにある(もちろん聴きに行く)ので、良い 刺激を受けるだろう。明日はOperでルイージ指揮の「セビリアの理髪師」、念願のガレリー・1列目をゲットしたので、上からピットをじっくり見てこよ う。そして昼間はサヴァリッシュ&ウィーン響のリハーサルを覗きに行く予定。おっと、その前にヴィザの更新に行かなければならない。なんやかんや忙しい ぞ。 夕飯に日本からのウナギを食べた。とっても懐かしい味がした。ウナギをつまみながらビールを呑んでいたら、ふと「北馬」での懐かしい日々を思い出した。まだ独身で、本番が終わって一人静かに呑む楽しみを覚えたあの頃、たま~にウナギの白焼きがメニューにあり、気持ちの良い本番後などは奮発してよく食べた。 注文してから蒸し上がるまでの待ち時間、日本酒をチビチビやり、刺身をつまむ。そして蒸し上がったウナギは程よく脂が落ちてあっさり食べられる、でもしっ かりとした味と風味、そして三椒の実やワサビできれいに飾られた器が懐かしい。北馬の親方が亡くなったのは去年の3月16日。あれからもうすぐ1年が経つ のか。北馬最後のお別れ呑み会(3月22日参照)は、今でも親方が呼んでくれたと信じている。

3.7 今日はコンセルの隣にあるホッホシューレでデュオ・ハヤシの演奏会を聴きに行く。チェロの林俊昭さんとピアノの林由香さんのデュオだ(別に親類じゃありま せん)。俊昭さんは澤カルテットのチェロ奏者としても活躍されているので御存知の方も多いはず。楽器の響かせ方が素晴らしく、全体を包むような響き、そし て決して音が荒れたりしないところが凄い。また、ピアノとチェロのバランス加減の絶妙さは、長年デュオとして活動されているのもうなずける。特に後半の ショパンのソナタとマルティヌーのヴァリエーションはとても良かったです。久しぶりに日本人の演奏を聴いて、なんか懐かしい感じがした。 それ以外は、今日も一日ボーと過ごしてしまった。改めて一昨日の演奏を聞直してみたとこ ろ、当初思ったほどテンポが速く感じられなくなっていた。きっと、本番での高いテンションから、終わってホッとしてやっとゆったりした気分になれた時に聴 いたので、速く感じたのでしょう。テンポよりも音程のほうがだんだん気になってきた。それ以外にもいろいろ・・・。たった1回の小さな演奏会でこれほど考 えることがあるので、やっぱり人前で弾くっていうのはとても勉強になる。今まで「もっと自信が持てるようになってから……」って避けて来たけど、もっと積 極的にやらないと駄目ですね。人前で弾いてナンボの商売ですから。
3.6 昨日FMでアバドとウィーン・フィルのかつてのライヴを放送していた。ほとんど日本で持っているものだったが、彼がニューイヤーコンサートに初登場したと きの第1曲目、レズニチェク:「ドンナ・ディアナ」序曲は、日本で録音に失敗し冒頭の部分が欠けて悔しい思いをしたことがある。その「ドンナ・ディアナ」 を昨日はやはり冒頭で放送するというので、今度こそは!とタイマーをセットして出掛けたのだが・・・。タイマーの時計が狂っていて、またもや数秒欠けて録 音されていた。その当時のニューイヤーコンサートのCDはもう既にこの世に無いし、もうちゃんと聴く機会は二度と無いかも。どなたか、保存されている方い ませんか?

3.5 あ~、やっと終わった発表会。今朝は9時半からG.P.。1回通して終わり。家に戻ってもすることが無く、昼寝をしっかりしていざ本番へと向かう。 G.P.でかなり緊張していた割りには落ち着いて弾けたので、本番もまあ、あんなもんでしょう。本番の録音を聴いたら、思ってた以上にテンポが速くてビッ クリしてます。やっぱり緊張してましたね。本番後は、浴びるほど飲みたかったけど、比較的おとなしくビールだけ飲んで、たった今、打ち上げが終わって帰っ た来たところです。もちろん、ビールの飲み直しをしてます。あ~、しばらくぼ~っとしたい・・・。

3.3 昨日のMDR Sinfonieorchesterはまず前半がレオナルド・ゲルバー独奏でブラームスのピアノ協奏曲第2番、後半が「英雄の生涯」の2曲。指揮はファビ オ・ルイージの演奏会をムジークフェラインのSteheplatzで聴いた。まずゲルバー、その強靱な音に圧倒される。始まってしばらく続くピアノ・ソロ が最後尾の立ち席にも強烈に届いてくるので、その後に続くオケのtuttiが貧弱に聞こえるほどだった。そして低音域もそうとう鳴らしているのに音自体は 割れたりせず、とってもクリアーだった。終始ゲルバーに圧倒されっとおし。3楽章のチェロ・ソロはとっても奇麗で素晴らしかった。あと、オーボエも! そして後半の「英雄の生涯」、前半の協奏曲とはまるで別人かと思うほどの変わりよう。実際コンサートマスターやセカンドVn,首席、ティンパニなどの主要 メンバーも入れ替わり、それプラス、ホルンが9人、木管楽器も3管に、弦楽器も16型に増強、別のオケのようでした。で、演奏は熱かったです。遠くから見 てても良く判るルイージの棒に、積極的に応えてました。やっぱりオケは良いねえ。何度も目頭が熱くなりました。ヴァ イオリン・ソロも良く弾くわ。前半降り番で、後半いきなり出てきてあれを鮮やかに決めてしまうなんて信じられん。また、オケのリード面でもかなりいい味出 してました。それと、今回は原点版での「英雄の生涯」。曲の終わりがヴァイオリン・ソロとホルンの3番のみというなんとも寂しい終わり。サヴァリッシュで 以前演奏したことがあるけど、ルイージも採り上げてるし今後これがスタンダードになるのだろうか。(先日のラトル&ウィーン・フィルは普通のでし た。)個人的には今までの改訂版がシックリくるんだけど……。皆さん、どう思います?

3.1 あらま、3月になってしまった。このウィーン日記も実質あと5ヶ月だ。早いな。今日も朝から練習、一通り終えて昼ご飯食べたら眠くなり、ブラームスの交響 曲2番3番を聴きながら昼寝、終わるころに目が覚める。今日は土曜日なので買い物を済ませておかないと、明日食べるものが何もない。スーパーに行ったけ ど、遅く行くもんじゃないね。目当てのネギ、白菜は売り切れ、大好きな向日葵パンもない。ビールとヨーグルト、焼くだけで出来るシュニッツェルなどを買っ た。 発表会が近いから練習しなきゃと思うのだが、どうも煮詰まっていて身が入らない。バッハを弾くこと自体が学生以来なのに、無伴奏だから当然休み無しの体力 勝負。ピアノの間奏などが無い分、何をするにも全て自分で態勢を立て直さないとって思うと、選曲間違ったかなっ何て後悔もする。「ま、せっかくだし、も う二度と弾くこともないだろうし」など、いろいろ言訳をしつつ渋々練習している。 明日はファビオ・ルイージ指揮のMDR Sinfonieorchesterを聴きに行きます。

2.27 今日は午前中レッスン、来月5日にクリスティアン門下の発表会があり、目下それに向けて追い込み中だ。クリスティアン先生は酷い風邪をひいていて顔色もす ぐれないが、レッスン中はそんなことお構いなしにいろいろ注意が飛んでくる。特に音程には厳しいのでこっちも気をつけてはいるのだが、今日は後半になって こっちの集中力が欠けてきてからの音程が酷く、先生の具合を更に悪化させてしまったようだ。早く良くなってくれればよいが・・・。 失意の中部屋に戻り、あまりの疲労から昼寝をしてしまう。夕方、そろそろ練習を再開しようかと思ってたところ、呼び鈴が鳴ったので出たらORFの集金(日 本でいうNHKの集金ですね)。とっても美しい女性が身分証を見せて「テレビとラジオの集金に来ました。お宅ではテレビを見てますか?」おそらくそのよう な質問であっただろう。「ラジオはあるけどテレビは無い」と答えると、「ジャ、部屋を見せて下さいませんか?」ときた。ホントはテレビはあるのだが、白黒 で4インチ程の、ラジオと一体型になった今どき秋葉原でも見つからないだろうという代物。あまりにも古いのでコンセントも抜いて全く見ていない。部屋に招 き入れたその女性にテレビのある部屋を見せたのだが、「テレビはどこ?」って訊く。目の前にあるのに。あまりの古さにテレビと思えなかったらしい。「これ がテレビだけど、全く見てないし、コンセントもこうやっていつも抜いている」ってジェスチャーで伝えたら解ったらしく、ラジオ代だけ請求された。最後握手 して別れたけど、夕方6時半に来るなんて確信犯的な行為だ。あとて友人のCさんに聞いたら、「部屋に入ることを拒否する権利があり、拒否した場合に集金者 は立ち入ることは出来ない」のだそうだ。しまった!ちなみに日本じゃ当然ながら受信料、払ってます。

2.22 昨日はオーストリア放送交響楽団の2nd.Vn.首席、中島りりこちゃんちでホームコンサート。ロンドン在住の相曽さん夫妻とりりこ張夫妻、そして彼女の 同僚、友人達が集まってメンデルスゾーンの弦楽5重奏曲をメインにした、とても素敵な演奏会だった。りりこちゃんのだんなはウィーン響のホルン奏者で、彼 は珍しいEschmannの「Im Herbst」を演奏した。そしてその原曲となったモーツァルトのホルン協奏曲から2楽章をナチュラル・ホルンで演奏、この楽器はモーツァルトの時代に作 られた完全なオリジナルだそうで、そんな楽器の音色に触れられる貴重なことでもあった。メンデルスゾーンは僕の大好きな曲、生で聴くのは初めての経験(自 分で弾いたことはあるが)。やっぱり素晴らしい曲だった。演奏もさることながら、プレーヤーの暖かみある人柄が出ててとっても心地よい時間だった。演奏会 後はお客さんも交えて、お酒をのみながらいろいろ談笑。僕も久しぶりに沢山酒をのみ、終電で帰ってきた。 今日は指環の第3夜「神々の黄昏」。全部聴いたぞ。演出は昨年11月 同じだったが、指揮者と出演者はほとんど違った。今回の方がオケに張りがあったような気がする。ランニクルス、凄く良い指揮だった。無駄が無くて表情が はっきりしてて、見ていて気持ちがいい。ちょっとシュタインに似ているかも・・なんて思ったりもした。今回の指環は全てキュッヒル氏がコンマスを担当、今 日はその裏にヒンク氏が座りとっても豪華。 「指環」、とりあえず全部聴いてみて、とにかく長い演奏時間、徹底したライト・モティーフ、弦楽器の恐ろしく難しいパッセージ、微妙な表情、和声を管楽器 に割り振るその絶妙さ・・・など、「ワーグナーはよくあんな曲を書いたものだ」と感心する。「神々」に限っていえば、それまでの全てが凝縮されているの で、聴いていて飽きないし音楽も素晴らしい。もちろん、譜読みは相当苦労しそうだけど、こんな素晴らしい作品を弾けるなんて、何て幸せな。来年の新国立劇 場、今から待ち遠しい。

2.19 今日はいつもと気温は変わらないのにとても寒く感じる。日本の冷え具合と似ているようだ。そんななかクレーメル独奏アーノンクール指揮ウィーン・フィルの 演奏会に行く。クレーメルのベルクは最近の彼のスタイルからすると「古典作品を採り上げて」となるのだが、アーノンクールがバックとなると話は別。なん たってベルクだからねえ。でもって印象はというと、いまいち。「ある少女の思いでのために」と副題の付いたこの協奏曲、最後は若くして死んでいったその少 女が昇天する様をバッハのカンタータを交えながら表しているのだが、俺のなかでは昇天しきれなかった。期待しすぎたのかな。 後半はブルックナーの4番。こっちは大満足。アーノンクールらしい硬軟のバランスが利いた演奏だったけど、それに応えたオケも凄い。テンション高過ぎ。聴 いていても全身から鳥肌が立ちました。なんだかんだ言っても良いものは良いんだ。オケが弾きたいと思った。ppのトレモロはかなり遅めに刻んでいたのは指 揮者の指示かな?

2.17 ここ数日、太陽がでて気持ちの良い天気だ。今日は午後街に出て、いくつか用事を済ます。まず学校に行って在学証明書を発行してもらってから、ムジークフェ ラインのKasssaに行く。今日は、3月終わりから5月の頭にかけて行われるムジークフェライン主催「春のフェスティバル」のチケットの発売日。いくつ も興味のある演奏会がある。大野和士指揮RSO-Wienのマーラー5番とか、テツラフ独奏ベートーヴェンの協奏曲(ウィーン響)、ヤンソンス指揮ピッツ バーグ交響楽団、同じくヤンソンス指揮ウィーン・フィル、カメラータ・ザルツブルクのメンデルスゾーン:「エリア」等。とりあえず、目当ての演奏会を全て ゲット。その足で今度はコンツェルトハウスのKassaに向かい、同じようにいくつかのチケットを買った。 最近、せっかくヨーロッパにいるんだからもっと異国を訪問しようと考え出し、どのくらいの値段で航空券が売りだされているかリサーチを兼ねて、旅行会社に も行って飛行機の安いチケットを探す。4月にどこか遊びに行こうと考えている。旅行会社の話では、今はまだ3月の売れ残りチケットが売り出されていて、4 月はまだ先にならないと発売しないとのこと。パンフレットだけ貰って帰ってきた。なんやかんや午後はずーと出歩いていたが、天気がいいと何をするにも気持 ちがいい。毎日こうだとありがたい。

2.13 今日は久しぶりの晴天で気持ちがいいので、午後散歩に出かけた。あてもなく地下鉄でカールスプラッツまで出て、ムジークフェラインのKassaに立ち寄り 来月のMDR Symphonieorchester/ファビオ・ルイージ指揮の演奏会のチケットを購入、曲はゲルバー独奏のブラームス:ピアノ協奏曲第2番とR.シュ トラウス:「英雄の生涯」だ。それから、シュタットパークを散歩して池で遊んでいる鴨を眺める。池の半分ぐらいは凍っていて見るからに冷たそうなのだが、 鴨にとってはどうってこと無いらしい。凍った池の上で休んでいたり、滑りながら走る鴨もいた。そのまま歩いてウィーン・ミッテ駅に着いたらヴァイオリンの S条さんにばったり出会う。それから地下鉄に乗り、ノイバウガッセで降りてCDを物色。ツェートマイヤーのバッハ:無伴奏ソナタとバロック楽器で演奏して るモーツァルトのピアノトリオのCDを買った。それからマリアフィルファー通りをぶらつきながら歩いて帰宅。いい気分転換になった。 練習を終え、夕食を食べてから買ってきたCDを聴く。ツェートマイヤーのバッハは高校生の時にレコードで聴いたものと同じ物。その当時は船酔いしそうな演 奏に聞こえたのに、今聴くと斬新なアイディアと素晴らしい集中力でぐいぐい引きつけられてしまう。思わず涙してしまう瞬間があったりする。こんな演奏、普 通に聴くと「え~、何これ~」とその辺の高校生に言われそうだが、今から15年程前に既にツェートマイヤーはこんな演奏をしていたのだ。

2.10 今日はクレーメルとクレメラータ・バルティカの演奏会に行った。クレメラータ・バルティカとはクレーメルが集めた新進気鋭の演奏集団。年齢層も20~30 代と大変若く技術、勢い、ノリと申し分なし。一曲目は何だかよく解らない組曲だったが、打楽器の兄ちゃんの一人3役4役の瞬間芸(芸じゃないか、演奏)が 面白く一人ほくそ笑んで聞いていた。この曲はムレーメルは登場せず。 2曲目はメンデルスゾーンの「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」、知る人ぞ知る超絶技巧の曲だ。ここでクレーメル登場、ピアノはN.Coleというこ れまた若くて美しい女性。彼女の緊張した面持ちがクレーメルの笑顔と好対照。そりゃそうだろう、天下のムジークフェラインでソリストだもんな、全く笑顔を 見せないまま演奏が始まった。1楽章は硬かった様に感じたが、クレーメルのテンション溢れる演奏にもピッタリと付けるし、軽くて美しい音がメンデルスゾー ンにピッタリ。特に2楽章の出だしはゾクッとしたくらい素晴らしかった。そして、終わった後に初めて見せた笑顔がまた素敵だった。クレーメルは彼独自の世 界をまっしぐら、あの集中力とイマジネーションはスゴイの一言。一瞬にしてみんな彼に釘付け状態。とてもメンデルスゾーンを聴いた気にはならなかった。 後半はクレーメルがコンマスの席に座ってエネスコのオクテット(弦楽合奏版)。ここではヴィオラの女性のソロとセカンド・トップの男性の表情が素敵だっ た。この曲自体僕はあまり好きじゃないけど、演奏者の集中力と熱気が充分に伝わってきて会場も大盛り上り。そしてアンコールは彼らの独壇場と化した。まず はシュニトケのポルカ、そしてハッピー・バースデイで締め。(この2曲は最近発売されたクレメラータ・バルティカ「Happy birthday」に収録されています。)僕としてはクプコヴィツのスーヴェニールが聴けるのではないかと密かに期待していたがそれは無し。どちらにして も、クレーメル、凄いキャラクターと音楽をもった人である。
先日ナッシュマルクトで胡麻油を見つけ、嬉しくなって買った。それからラーメンに、野菜炒めに、みそ 汁にといろんな料理にかくし味で使えて重宝している。今日、愛着ある胡麻油の瓶を眺めていたら「92.4.26」の数字が目に飛び込んできた。その下には 中国語で「有效期限一年 有效日期」とある。これってどう見ても1992426日までが賞味期限ってこと?一歩譲ってそれが製造日だとしても93年ま でってことだろう。それが解った瞬間「おまえさん、一体いつまでアブラ売ってんだい?」と時代劇などでよく聞くセリフが頭の中を走り抜けていった。ウィー ンでは、化石のような食料品が日常的に手に入るらしい。

2.9 行ってきました、「ワルキューレ」。いや~凄いっスねえ。感動しました。ワーグナー歌手ってオケがそうとう鳴っててもビクともしないし、オケも知ってるか ら豪快に鳴らして気分爽快。ffのトレモロなぞ、弓の木の部分が弦にあたってバキバキいってたしな。引いてバランスをとるより、限界ギリギリまで足して いってそこから先は一寸の差、みたいなやり取りがオケの(オケに限らずだが)醍醐味じゃないかと思った。それ以外にも和音の響き、弾き方、トレモロ、その 他いろいろとても参考になった。今回はフリッカに我が日本出身の藤村美穂子さんが歌っている。彼女とは芸大時代に学生のオペラで2度ほど御一緒したことが あり、その声にすっかり魅了されて以来大ファンになり、その時に貰ったサインは今でも大事にとってある。今日も2幕でのカーテンコールでは盛大なブラボー が飛んでいた。 今日は一寸した個人的トラブルがあった。開演後間もなくして、いつものごとく個室の2列目から立ち上がって見ていたら、同じ個室に老女が遅れて入ってい た。ま、気にも留めず続けて見ていたらその老女、白いフワフワのコートも脱がず、ドエライ勢いで俺の座っていた席に俺を押しのけて座ってしまった。まるで 傾れ込むようなその勢いに圧倒されてしまい、後ろの別の御婦人がビックリした様にこっちを見ていたが、開演中ってこともあり何も言わず本来その老女が座る はずの席に移った。その後もその老女は終始落ち着きなく、目障りでとてもオペラを楽しんでいるようには見えない。そして第1幕の感動的なコーダに入り残り 十数秒のところで、いきなり立ち上がり後ろの御婦人に大声で話かけ始めるではないか。さすがにその御婦人もイライラしていたのか、休憩に入ってからもしば らく何やら言っていたがドイツ語なのでよく解らない。そして休憩後、個室に老女が入ってくるなり僕に「あんたの席はどこ?」って訊いてくる。僕はもう自分 の席を明け渡したつもりでいたら、後ろの御婦人が「あなたの席はこっちでしょ」ってキッパリ言い切ってくれた。どうやら先程の会話は、その老女の目に余る 行為に後ろの人が注意をしたらしい。老女は不満そうに本来の席に座り、僕は元の席に。後ろに軽く会釈をしたら、彼女もそうとう頭に来ていたようで無言のま ま「頭、オカシイのよ、きっと」といった表情を返してくれた。その老女は居心地が悪くなったのか2幕が終わった時点で帰ってしまい、残りの3幕はオペラを楽しんでいる人達だけの空間になった。

2.8 只今一人で夕飯を終えたところ。久しぶりに日本米を炊いて、日本製唐揚げ粉を使って鳥の唐揚げとホウレンソウのお浸し、みそ汁、サラダなどを作った。一人 で食事を作ると、お腹が減ってるもんだからついつい多めに作ってしまい、出来上がった途端狂ったようにかぶりついてあっという間に食べ尽くしてしまう。 せっかくの食事だからゆっくり味わって、とか考えるんだが無理のようだ。食事を作りだして(もちろん御飯を炊くところ)から食後の片付けが終わるまでたっ た1時間。早すぎる。
昨日はアルモニコのメンバーが呑みに来た。彼らが来るのは12月以来か。今回は鳥肉とニンニクを使っ たオリジナル料理をやってみた。日本で適当に作ったら意外と好評だったので、レパートリーになっている。他にはイカ南蛮漬け、今日もやったホウレンソウ、 そして野菜炒めにしようと思ったら水気が多くなったので餡かけにした出来損ない野菜炒め。結構飲んだので今朝は軽い二日酔い。午前中ゴロゴロして過ごし た。

2.6 昨日日本から荷物が届いた。中身は雑誌や新聞、ラーメンなど。雑誌はもちろん週間プロレスで、ちょうど1月11日に日本武道館で行われたNOAHの試合が 記事になっていた。新日本の現場監督である蝶野(産経新聞のCMに出てたっけ)がNOAHに参戦して、NOAH社長である三沢(たま~にダウンタウンDX 他に出演)とタッグを組み、小橋と田上組相手に試合をするなんざー、数年前には考えられないこと。特に全 日本プロレス時代はね。馬場と猪木という全く接点の無い者同士がトップにいた両団体は、かつてそう簡単に交流しなかった。それが、新しい世代にトップが受 け継がれ、若い世代での交流で試合をする、試合前の蝶野と三沢が握手をする写真を見てるとお互い信頼・尊敬している者でないと出ない表情していた。写真で 見るだけでも凄さが伝わってくるこの試合、はやくDVDで観たいものだ。 夕食は送られてきたラーメンを食べた。日本のインスタント・ラーメンは美味い。ウィーンでその辺のアジア料理店で食べるラーメンとは比べものにならない。 至福の一時を過ごし今落ち着いたところ。ラーメン食べるときってどうして、ついつい急いで食べてしまうんだろう。ゆっくり味わいたいのに、何かに追い立て られているような気になってしまう。日本の生活環境がそうさせているのだろうか?

2.1 2月になった。今月は『ニーベルンゲンの指環』が毎週1つづつ上演される。今日は『ラインの黄金』。簡単なストーリーをインターネットからダウンロードし て予習していったが、Operのプログラムにはそれ以上のあらすじが載っていて大変役に立った。ただ取った席がステージがほとんど見えないので一体何が起 こっているのかサッパリ。安い席はリスクが大きい。音楽だけでもと気を取り直して最後まで聴いた。感想は、ウ~ンよく解らん。とにかく体験することが大切 だと思って続けて来週も『ワルキューレ』に行く。

1.29 午前中にまろさんの室内楽演奏会GPを聴きに行く。曲はマーラー:ピアノ四重奏断章、ウェーベルン:弦楽三重奏、ドホナーニ:セレナーデ、ブラームス:ピ アノ四重奏曲第1番の4曲。ウェーベルンは16小節しかない(確かそんなことを言ってたような・・・、自信ない)そうだが、1拍が16分音符単位でゆっく り進んでゆくので、1分経過してもまだ3~4小節目辺りを弾いていることになる。マーラーとウェーベルン、どちらも初めて聴いたが、魅力ある良い曲だっ た。ブラームスはウィーンに来て聴くのが2度目。前回はウィーン・ハイドン・トリオにE.コヴァチッチがヴィオラで参加した演奏で、ヴィオラのノリノリ具 合と周りのトリオの温度差がかなりあった気がするが、今回はそんなことはない。みんなバランス感覚がいい。ウィーンに来てからメンバーと数回合わせをした だけなのに、さすがだね。そしてみんな楽しそうに弾いているのが印象的だった。
夜は昨日に引き続きベルリン・シュターツカペレの演奏会、今日は2番。今日の席はセカンド・ヴァイオ リン5プルトのすぐ後ろで、手を伸ばせば演奏者に触れるくらいの距離。5プルトのおじさんが僕に「ごめんなさい」といいながら座ったのが可笑しかった。今 日はバレンボイム越しにコントラバスがよく見える。みんな狂ったように弾いているのが音となって攻めてくるので、嫌でも興奮してしまう。バレンボイムもさ ぞかし気持ちいいことだろう。全体としては昨日の1番のほうがよかったかな。終演後、まろさんの打ち上げに合流した。

1.28 4時からコンセルでレッスン。物はブラームスの1番(ソナタ)。いろいろ自分なりに相当気をつけて練習したつもりだったがまったく歯が立たず、というか、 クリスティアンのあの体格から楽々と出る音に加わるテンションの高さで、目の前で演奏されると何も言えなくなってしまう。その後続けて僕が弾いても、あま りの落差に愕然とするわで、放心状態でレッスンが終わった。ブラームスは好きだけど、あんなふうに弾けるようになるんだろうか・・・等と考えながら家路に つく。 ちょっと家で休んでから、夜は久しぶりにムジークフェラインに行った。目当てはバレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ。今日から4日続けてシューマ ンとブラームスの交響曲をそれぞれ同じ番号づつ演奏していく。今日は1番の日。取った席はステージから1列目の席で目の前がファースト・ヴァイオリンの2 プルトという、弾く立場からすると嫌な客になって聴いてみた。ベルリン・シュターツカペレは普段はピットに入っているオケだから、ベルリンにあるウィー ン・フィルの様なものかな。ホールがいいのか、音が出た瞬間とても一列目で聴いているとは思えない程、バランスよく聞こえるのに驚いた。ここのオケも対抗 配置で弾いているからヴァイオリン同士が多少ズレたりするんだけど、それでも怯まない。音楽がよどまず流れているときに怯んでる場合じゃないよな、確か に。そしてセカンドとヴィオラのハモり具合の素晴らしいこと。昔、安田健一郎さんと室内楽をやってたとき、『内声はどら焼きで例えるならあんこ。あんこが 美味しければどら焼きは美味しい』と言ってたけどまさにそれ。 他には金管陣の響きが暗くて重い。これがまたいいんだ!!そこに爆裂モードのティンパニが加わると、「おお!!ドイツのオケだ!!」と普段聴いている響きとの違いに感動してしまう。明日も行きます、2番です。 今日はホントにブラームス漬けの一日。この生活、まだしばらく続きそうだが、少しは身になるようにしたい。

1.27 26日のまろさんリサイタルは、モーツァルトのK.454、ベートーヴェン:『春』とブラームス:スケルツォ&ソナタ2番だった。掲示板にも書いたけど特 に後半の2曲が素晴らしかった。ブラームスの2番を次に勉強しようと思っていたのに、あれだけ内容の濃い演奏をされてしまうと躊躇してしまう。また、モー ツァルトで譜めくりに失敗してしばらく彷徨ってたときは、思わず譜めくりに駆けつけようかと思った(^_^Winking。我々の先生であるT.クリスティアンが客 ど真ん中にあの体格で座っていたのはまろさんからも良く見えたそうで、「あれは反則だ!!」(まろさん談)。

1.25 まろさんがリサイタルと室内楽の演奏会をするためにウィーンに来られている。昨日は夜、ウィーン留学生数人と一緒に食事を御一緒した。ウィーンで1番美味 しいと言われている『青島』で久しぶりの中華。生き返った心地がする。3時間以上ゆっくり食事をしながら、いろんな話ができて楽しかった。明日は夜リサイ タルを聴きに行く。メインはブラームスの2番だそうだ。次にレッスンを受けようと思っていた曲だから、ちょうどよい勉強の機会だ。Operでやる「カバレ リア・・・」はパスすることにした。
何気なくEMIを覗いたら、アバド&ベルリン・フィルのベートーヴェンDVD第2弾が発売されていた ので、早速ゲット。収録曲は1,6&8番。昨年購入した2&5番同様イタリアでのライヴで、12型編成のかなりすっきりとした演奏。アバ ドの勢い余るというか、気合いの入った6番を見ていると「こうでなくっちゃ」と、一人納得してしまった。残りは3,4,7&9番か。7番はかつて ヨーロッパ・コンサートでフヌケタ顔して振っていた時より、数段上のテンションを期待しよう。2枚のDVDで収まるといいな。

1.23 ここの住まいには地下に洗濯機が1台置いてある。引っ越ししてしばらくしてその洗濯機を使いだしたら扉の把手はすぐとれるし、水は扉のすき間から漏れる。 おまけに排水管が洗濯機の横から上に延びて排水溝と接続されているので、数回使うと脱水しきれないらしく洗濯物が水浸しの状態で仕上がってくる。ま、それ でも水抜きをしたり、扉を押さえながら洗濯したりしてそこそこ上手く使っていたところ、数日前、洗濯機を使っていたら大家さんであるおばあさんが降りてき て、いきなりドイツ語で話しだした。最初はいつものように挨拶とか日常の会話を始めたんだろうと気にも留めなかったが、いつもと様子が違うのでよく聴いて みるとどうやら俺に対して文句を言っているようだった。「洗濯機の扉を壊したのはあなただから、その修理費を払え云々」と言っていたので、「これはすでに 前から壊れていた、俺じゃない」と言い張ったが信用していない様子。相手の言い分は「あなたしか使った人はいない」(住みだした当初は確かに俺以外使った 形跡は無かった)、よって現時点で具合の悪い原因は俺にある、とでも言いたいのだろう。俺としては、無理やり引きちぎったわけじゃないから、ただ扉を開け ようとして取れてしまった把手は「すでに壊れていた」と思うし、それ以外の不都合な箇所も、今まで具合が悪くてもそれなりに使えたので別に文句も言わな かっただけなのだが、分が悪いのは確かだ。こっちの電気製品は日本とは雲泥の差、壊れるのが当たり前のようなものばかり。その上、修理・取付等、とてもプ ロフェッショナルとは言い難い仕事をしてあったりするのでビックリすることが多い。さらに俺が引っ越してきて、停電、洗濯機、換気扇(風呂場のが壊れた) と3つも電気系の故障にあったので、信用されないのも当然かも。だが、『インディアン、嘘つかない』じゃないが、日本人男子として濡れ衣をかぶせられたま まってのも癪に障るので、この際はっきりさせなきゃ、『日本人。嘘つかない』。そんなこんなで、ここ数日、寝ても覚めても「いざっ」って時のために、ドイ ツ語で自分の言いたいこと、状況説明等を考えている。こんなことからドイツ語って上達するのかも・・・なんて考えたりもしている。

1.22 今日はOperで「マイスタージンガー」を初鑑賞。いつものようにプログラムを買って、「日本語のあらすじを読んでから・・」と思っていたら日本語がな い!おかげでストーリーも全くわからないまま5時間半聴きました。でも音楽だけでもゾクゾクするし涙も出てくるから、音楽って凄い。舞台は3幕の途中まで チャッチくて「なんじゃ」と思ったけど、3幕の後半になって色彩感溢れる目の覚めるような舞台に突然替わったときは、鳥肌が立ちました。今回の指揮者は M.ボーダー。無駄の無い指揮でとっても良かった。お客さんもかなり湧いていた。以前1度だけN響を振っているけど、また来て欲しいな。今後、良い指揮者 になるような気がする。

1.16 たまたまムジークフェラインを通りかかったのでKassaを覗いてみたら、ちょうど今夜ウィーン交響楽団の演奏会があるでていた。曲はブルックナーの9番 でフェドセーエフ指揮。興味があったのでセカンド・ヴァイオリンの後ろの席Orchester rechtsを購入して出掛けた。ウィーン響はヴァイオリンが対抗配置なので、僕の座る席は一般的なオケの並びからするとコントラバスの辺りになる。コン トラバスはステージ正面の奥に一列に横並び。ウィーン・フィルも同様の並びだ。開演前にステージ上の席からいろいろ眺めていたら、ヴァイオリンの双紙くん とヴィオラの柳瀬省太が突然現れてビックリ。あいさつを交わしたのち、彼らも同じOrchester rechtsに座った。 フェドセーエフの棒は初めて。日本ではよく東京フィルのプログラムに名前は出てもキャンセルが続いていた様な気がするが、ウィーンでは頻繁に登場してい る。第一印象はずいぶん軽い棒を振るんだな、と思った。ちょっとシモノフの混じったところも無くはないが、全体的には無駄が無い感じに見える。でも凄みを 効かせるたり、たたみかけたりするあたりはあの怖そうな顔そのまんま。こっちの方を睨みながら振られると思わず視線を逸らしてしまうくらい怖い。それ以外 の箇所では棒自体に遊びがあって、ほとんどオケに任せているんじゃないかと思った。オケは相変わらず上手い。ブルックナーはいい音してたな。それに比べて 指揮者はブルックナーには合わないんじゃないか。オケの間合いと微妙にずれた棒が気になった。ってな見た目の感想を書いたところで、実際演奏してみないと 本当のことは全く解らないけど。 来週はOperで『マイスタージンガー』と『カバレリア・ルスティカーナ』他を聴きます。

1.15 12日にウチの奥さんが日本に帰国。再び単身生活に戻った。そして翌日13日には、今年初めてのクリスティアンのレッスンがあった。ブラームスのソナタを 初めて見てもらう。クリスティアンはブラームスになると血が騒ぐようで、みるみるうちに彼の音楽に引き込まれてしまう。圧倒された。年末と正月ボケで鈍っ た頭と身体は、その密度の濃いレッスンでやっと目が覚めたようだ。来週までにもっと自分の手のなかに入れられるようにしなきゃ。
来月はシュターツ・オーパーでワーグナー「ニーベルングの指環」のツィクルスがある。指揮は Runnicles。どれも1回ずつの公演で、今回を逃すともう二度と見られないかも知れない(「ワルキューレ」のみ今後数回上演される)ので、是非とも 全部見たい。立ち席はさすがに厳しいので、1番安い席で聴くことにする。また最近インターネットで予約を入れる方法を習得した。発売日でもすでに安くて良 い席は売り切れているが、それでも残された中から自分の好みの座席を指定できるのは嬉しい。窓口に直接買いに行くと、売り場の女性は日本人だと見ると高い 席を売りつけてくるので、いちいち「1番安い席を」と言わなければいけないし、それだけでは自分の思い通りの席は手に入れにくい。インターネットのおかげ で本当に便利になった。

1.9 午前中、もう一度ロンドン市内をうろついて、バッキンガム宮殿や公園を散歩。空港で昼食をとってやっとウィーンに戻ってきた。ロンドンは車も人も多く大都 会。ウィーンはのんびりしているというかゆったりとしていて、着いたらホッとした。ロンドンも寒かったけどウィーンは-7℃。空港は真っ白でとっても奇麗 だった。 今日で正月モードも終わりにして、明日からはまた気持ちを新たに練習しようと思う。

1.8 朝起きたら雪で真っ白。寒い一日だった。ロンドンでの初雪だそうだ。今日は午前中に大英博物館を見学。2001年夏のN響イギリス公演の時にはどこにも観 光に行かなかったので、この大英博物館も初めて。有名な「ロゼッタ・ストーン」も当然初めて見る(存在を知ったのも初めて)。興味のある人にとってはたま らない物ばかりなんだろうが、歴史や古代のものに全く興味のない僕にとっては、どうやって運んだのかとか、どうやって造ったのか等、程度の低い興味しか湧 いてこない。それでもよくもまあここまで集めたと感心するくらいありとあらゆる物が展示されていて、とても全部見ることはできなかった。 午後は科学博物館に向かう。エンジンから飛行機、船、潜水艦、宇宙にいたるまで、こっちの方が俄然興味が湧いてくる。英語が判ればもっと面白いんだろうな と思いながら、こちらも全部見られず引き上げた。帰り道に有名なハロッズ・デパートに立ち寄る。ロンドンは街中大セール中。『50%OFF』の大見出しが ベタベタ貼ってありついつい買いたくなってしまうが、同じようなものでもウィーンの倍くらいの値段がついているので簡単には手が出せない。結局指をくわえ たまま諦める。 夕方、ヴァイオリンの恩師である澤先生がホテルに迎えに来てくれた。先生は今月までイギリスに留学中。車でグルッとロンドンを案内していただき、夜は御家族や、同じく留学中の山崎さんと一緒に食事を御馳走になった。イギリスの中華はとても美味しかった。 明日はウィーンに戻る日だ。

1.7 今ロンドンに向かう飛行機の中です。今日から9日まで夫婦でロンドン観光です。ちょうどユナイテッド航空のマイレージが40000マイル溜まっていたの で、ヨーロッパ内の往復チケット2人分に交換してロンドンに行くことにしました。8時に家を出る予定が寝坊して8時20分に起きたので、大慌てで準備をし て空港に向かいました。空港には約1時間前に着いたけど、カウンターが長蛇の列、しかも手際が悪い。一人の客がくると5分はかかる(話し込む)ので搭乗時 刻になってもチェック・イン出来ず、係の人に頼んで優先カウンターでチェック・インさせてもらいました。急いで搭乗ゲートに行ったらまだ機内に入る様子は なく、のんびりと待っている状態。昨夜から降り出した雪のためか、どの飛行機も遅れに遅れている状態で、出発時刻の45分後に搭乗。滑走路の手前で長々と 待機し、マンゴジュースの様な融雪剤を頭からかけられたりして結局離陸したのは1時間半後でした。国際線なのでビールを飲んで酔っぱらってます。朝起きて から初めて口にしたものがビールだから、酔うのも仕方ないかも知れません。 初日のロンドンは、ウィンドウ・ショッピングをしながらSOHOに向かい、そこで食事を済ませてから歩いてビッグベンとウェストミンスター寺院を眺めて来ました。

1.5 今日はCさんちで室内楽の初見をして遊び。メンデルスゾーンの弦楽5重奏曲他を弾いた。室内楽をするなんて日本をでてから久しい。しかも初めて一緒に演奏 するメンバーなので失礼のない程度に朝、譜読みをして向かう。合わせをしてみて、みんな、初めて弾く曲なのに初見がとても利くのにビックリした。2度目に 通すときには遊びや新しい表現が加わってくるし、和声を感じながら弾いているので落ちても復帰するのが早い。「ヨーロッパの技術的レベルは日本より低い」 なんて書いてある記事を目にするが、とてもそんなことないと僕は思う。たった数時間の短い合わせだったけど、いくつも新たな発見があり有意義だった。「室 内楽には上限はあるけど、PPには限界がないからね・・・」という何気ない言葉が印象的だった。

1.4 今日はOperでメルクル指揮の「トスカ」を見る。ミュンヘンで見たばかりの「トスカ」、今回はストーリーが多少解るようになっていたのと、舞台が良く見 えて何が起こっているかも解ったのでとても楽しめた。カヴァラドッシを歌ったテノールのジョルダーニが素晴らしい。彼はウィーンでこの役を歌うのは初めて だそうだが、とてもそんな風には感じなかった。客席からもしきりにブラボーが飛んでいた。トスカ役のダニエラ・デッシーも気持ちのこもった演技と歌でこち らも湧いていた。ミュンヘンと比べると、ウィーンの舞台はスケール感がなくこじんまりしている。ピットも狭く12型のオケで演奏していたが、オケの鳴りっ ぷりはウィーンの方がいいように感じた。

1.3 年末からウィーンに来ていたウチの奥さんが今朝「体調が悪い」というので、とりあえず近所の薬屋さんに行くと「処方箋を病院で貰ってから来い」(たぶんそ んなことを言っていたと思う)とのこと、せっかく海外旅行用保険に加入していることだし病院に連れて行くことにした。保険会社指定の病院に行くのは簡単だ が、問題は行ってからのこと。英語もろくに喋らない奥さんの替わりに、症状をドイツ語で紙に書いて向かう。ドイツ語で会話しなければいけないと思うと、健 康なはずの僕の方が具合が悪くなってきた。例の紙を見せたら「ハハァン・・」と納得してくれてものの数分で処方箋を書いてくれた。保険会社に提出する書類 を書き終えて帰ろうとしたら、「忘れ物、良く書けています」と例の紙を渡しながら褒めてくれた。3ヶ月の語学学校の成果はあったようだ。無事薬局で薬も ゲット、薬を飲んだら快方に向かっているようで一安心。

1.1 Frohe ein gutes neues Jahr!! 今年もよろしくお願いします。 大晦日から年越し天麩羅蕎麦パーティは、楽しかった。生蕎麦をゆでて、かき揚げもどきを乗せて食べた。やっぱり日本食だね。他にも、クマSさんがくれた炊 き込みご飯を作ったり、Cさんの鳥と野菜の煮物、セイちゃんが焼いてくれたココアケーキ、どれもどれもも美味しかった。ただ俺の揚げた大半の天麩羅は失敗 したのが惜しまれる。天麩羅は難しい。修業します。結局3時頃まで飲んでて、終夜運転の地下鉄に乗って帰った。夜は寒かったな。-5℃は超えてたと思う。 そして元日の今日は、寝正月。部屋からも一歩も出ずに一日中寝ていた。たまにはね、こういうのもいい・・・。