2001年5月〜7月の酔っ払いの戯言
2001年05月27日カテゴリ:旧酔っ払いの戯言
7.28
しばらくぶりの更新。「N響夏」のツアーでは岡山公演の後、玉野に移動。25日には、モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲2曲を一度にやると いう、なかなかハードなプログラムで演奏会がありました。クラリネットはN響首席奏者の磯部さんで、他のメンバーは長峰さん、ヴィオラの中竹さん、チェロ の藤村さんです。昔は、「モーツァルトのクラ5なんて(難しくて)とても演奏出来ない」と思っていたのに、せっかくの演奏機会だからと思ってやると「やっ ぱりやってよかった」と考えが変わりました。特に第2楽章の宇宙的な響きに浸れたときは、弾いていて鳥肌が立つほど。やっぱりモーツァルトは凄いと思いま す。ブラームスも、最初のリハーサルでは「訳の判らない曲」としか思わなかったのが、だんだん体に沁みてきました。これを初めて聴きにきたお客さんに判る ように演奏するのには相当難しいけれど、何度かやっているうちに出来るようになるのかなとあまり難しく考えないようにしてます。 函館に到着しました。今回の演奏旅行は明日の函館公演、続いて青森、一日空いて宮古に行くという、魚と日本酒が好きな僕としては堪らないツアーです。今夜と明日は函館を堪能する予定。 7.21 今日はNHKホールで「N響夏」演奏会、曲はデュカス:魔法使いの弟子、パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲(渡辺玲子)、ドビュッシー:「牧神」、ストラ ヴィンスキー:「火の鳥」でした。指揮は前回に続いてファビオ・ルイージ。彼は言葉でも指揮棒でもイメージをとても上手に伝えてくれるので、こちらが迷う ことがなく安心して演奏できます。テレビやお客さんから見たらきっと普通の棒に見えると思いますが、演奏者側から見るとなかなかのテクニシャンだと思いま した。どういった部分がテクニシャンかと、一言で説明しにくいのですが、棒がうるさくない(目障りでない)、表情がハッキリ伝わってくる、許容範囲が広 い・・・などが挙げられるかな。特に3つ目の「許容範囲が広い」って事は、音楽家としても凄いことだと思います。指揮者によっては「絶対ここしか駄目、こ れで弾け」と指示する人もいますが、オケはもちろんそこを狙っていてもずれてしまう事が起こります。そうなったときに、許容範囲が広い指揮者だと音楽的に 次に破綻なく繋げてくれるのです。(これは我々演奏者にとっても同じことが言えますけど・・・。) 演奏全体としては、今回は小品集ってこともあり前回のブルックナーの方が密度が濃かったと思います。でも、とっても楽しく演奏できました。また来年きてくれるということなので、できる限り乗り番にしよう。 7.17 昨日のサントリー名曲シリーズ、ファビオ・ルイージの指揮によるブルックナーは、弾いていて大変気持の良いものでした。その分、緊張感も普段以上だったと 思います。今までブルックナー7番は、シュタイン、若杉、スクロヴァチェフスキーの3人で演奏していますが、僕の中では今回が一番シックリきたものでし た。でも、シュタインは随分前だから、今聞けばまた違った印象があるかもしれません。なかなかしょっちゅう良い指揮者には巡り合えないけど、年に1度か2 度、このような出会いがあるからオケは面白い。来週は「火の鳥」がメインのプログラム、ラテン系だからこっちの方がもっとはまるのかも・・・と思うと、期 待が増大します。 7.15 今日は、N響初登場のファビオ・ルイージの指揮でブルックナー7番の練習。良い指揮者です!大感激。何度も鳥肌が立つくらい。よく、「○○指揮者との初め ての出会いはセンセーショナルだった」と、後になってその時の衝撃度、新鮮さ、驚き等を聞くことがありますが、ルイージもきっとそのような語りぐさになる ような指揮者になるんだろうなと、練習しながら感じました。僕の勝手な基準、「悪い指揮者ほど練習の始まる前にベラベラ喋り、良い指揮者は挨拶程度ですぐ 練習を始める」ってのがあり、ルイージはもちろん後者。今朝は「おはようございます、では第1楽章」、だけで練習がスタート。とても正攻法でブルックナー を作っていく中に、彼自身の品の良さ、高い音楽性がビシビシ伝わってくる。頭も良さそう。ああいう指揮者がジュリーニのようになるのかなと思ったりもしま した。 7.14 ・・・・・ある日、京浜東北線を乗っていたら1枚の吊り広告が目に留まりました。そこには「F.P.ツィンマーマン、ついに浦和に登場!」と書いてあり、 浦和の駅前でコンサートをするようなので早速見に行くことにしました。会場に着くとそこはなんと浦和駅前の人通りも激しいバスターミナルのようなところ で、炎天下の中既にコンサートは始まっていました。コンサートと言っても足を止めて聴いている人はほんの十数人で、ほとんどの人は「何者?」といった感じ で通り過ぎていきます。それもそのはず、彼の格好が燕尾服なんかではなく、警察官の格好をして黙々と弾いているのです。でも演奏自体は大変素晴らしく、僕 を含めて数人の熱烈な拍手に答えてアンコール(パガニーニ:キャプリスから彼のオリジナル・アレンジによる無伴奏小品)を演奏してくれました。今度はサー ビスからか、わざわざ戦闘服に着替えてバリバリ弾いていました。 演奏会も終わると集まっていたギャラリーはあっという間にいなくなり、気がつくと僕だけが残っていたので思い切ってツィンマーマンに話かけてみると、以前 とはまるっきり雰囲気が違うのです。以前の紳士といった感じから親しみやすい関西の兄ちゃんといった雰囲気になっていて、「今年の11月にN響に登場しま すね。確かヒンデミットの協奏曲だったと思いますが・・・」と聴いたら、「おう、そうやそうや、N響行くで。でもヒンデミットとはちゃう。プロコの2番 や」と教えてくれました。もう少し話していたかったのですが、「次の営業にいかなあかんから・・・」と言ってマネージャーに連れられて去っていきました。 ちょっと残念、まぁ、あれだけ親しく喋ることが出来たので良しとしよう・・・・・と思っていたら目が覚めたところでした。 以上、今朝明け方に見た夢でした。 7.11 今日昼間に札幌大通り界隈をブラブラ2時間ほど散歩しました。ちょうどすすき野交差点でフルートの神田氏を見かけたので、「ちょっとお兄さん。」と声をか けたところ、左手で払いのけるような仕草をして急に足早になりました。どうやら客引きの兄ちゃんに間違えられたようです。さすがN響フルート首席奏者、こ ちらの甘い誘いには全くのらずまっすぐ歩いて去っていきました。 その後GPと本番の間、中之島公園の池に住み着いている鴨にエサをやりに行きました(写真掲載中)。チェロの岩井さん、ヴァイオリンの嶋慶とパンくずを投 げ出したら、池の対岸にいる鴨が群れをなしてこっちにやって来て、エサをねだるは、喧嘩はするはで見ていて飽きなかったです。ただ、こっちのエサが無く なったと見るやいなや、今まで集まっていた鴨、鳩その他があっという間に元のすみかに戻っていくのが、あまりにも現金な感じで嫌でした。 7.10 昨日はオフだったので、こちらの知人と一日観光しました。特に千歳にある「さけのふるさと館」は、いろんな鮭の仲間がいて、楽しかった。どれも美味しそう で、思わず魚屋かなと勘違いしてしまいそう。その他にも気がついたのが、街並みや家の雰囲気がヨーロッパのそれに似ていること。街灯もセピア色だったりし て夜歩いているととってもいい雰囲気です。 今日はデュトワの指揮で、武満:弦楽のためのレクイエム、リーバーマン:ピアノ協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第4番を芸術の森アートセンターでリハー サルしました。このプロは定期演奏会、そしてレコーディングでも演奏しているので、練習も軽めで(珍しく)予定より2時間ほど早く終わりました。明日はこ れの本番、チャイコフスキーは多分いい感じになるでしょう。楽しみ。 7.7 昨日、乗っている車がついに100,000Kmになりました。記念すべき100,000Kmの写真です。 この車はVWのVento CLIで、「97年度版輸入車インプレッション」という雑誌にモデルとして実際に掲載されていたものです。VW認定のユーズドカーセンターでこれを見つ け、即購入を決めて、後日鍵を受け取ったときに豊橋ナンバーのタグがついていて、たまたま持っていた雑誌を見たところ同一のナンバー車が掲載されていたの で判りました。当時の走行距離は5000Km弱、約3年半でここまで走りました。外車にしては故障らしい故障もなく元気です。まだまだあと2年は乗りま す。あ、今月車検だ。 今日から札幌にいます。札幌は気温18℃くらいで涼しい!湿度もなく快適。さっき、通り掛かりのすし屋で一杯やって来ました。まずまずの値段で美味しかったです。 4日の松本での演奏会は、なんとか終わりました。ちゃんと練習しておけば・・・というヶ所が散見されていろいろ反省しています。コダーイのヴァイオリンと チェロのための二重奏曲なんて普段そうそう弾くチャンスがないので、今回最後まで止まらず弾けただけでも満足です。サン=サーンスのピアノ三重奏曲は、頻 繁に転調していくのと、五楽章で構成されているその長大さで最初は理解しにくい曲でしたが、本番では結構はまりながら弾いてしまいました。もう一度弾いて 見たい曲です。 7.6 4日午前、N響チェロ奏者の三谷広樹さんが亡くなられました。明日から札幌に行ってしまい、お通夜、告別式に出席できないので昨日、お別れに行ってきまし た。三谷さんには本当にいろいろお世話になっていたので、なんとも言えない気持ちでいます。先月9日にも入院先の病院内でコンサートを一緒に演奏して、 「次回は秋にやって、クリスマス・コンサートも是非一緒にやろう」と打ち合わせをしてきたのに・・・。ちょうど1年前のN響PMF札幌公演では、毎晩のよ うに呑みに出ていろんな話を聞かせてもらいました。沢山の素敵な思い出をありがとう、感謝の気持ちでいっぱいです。 下の写真は昨年11月に高輪高校でやったピアノ・トリオ演奏会の模様です。 |